【解答解説】龍谷大学2021公募推薦・国語大問2(現代文)
こんにちは!こくご部です。
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はじめに
今回は龍谷大学2021公募推薦・国語大問2(現代文)の解答例及び解説を掲載します。
関西ではお馴染み、全国的にも根強い人気を持つ龍谷大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥
志望している人は早期の対策をおすすめします🐸
なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。
それでは行ってみましょう🔥
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問1 理由説明問題
傍線部について理由を説明する問題。※本問では「明らかにふさわしくないもの」を選ぶことに注意。
1~3の選択肢は本文に記述があるが、4は「客観的」であることを示す記述も無く、「十五年以上過去~がゆえに」という因果関係も不明。よって正解は4。
龍谷大学の問題(公募推薦)は60分で3題を解き切る必要があるため、情報の取捨選択と、その処理速度が無いと対応が難しい。選択肢を吟味して確からしい判断をすることは言うまでもなく重要であるが、明らかな正解が分かる場合はどんどん先に進んで行くのが望ましい。
問2 空欄補充問題
★空欄補充問題は空欄部分の前後に注目!
空欄Aの前を確認すると、「須賀のエッセイは不思議なことにブキシュな感じがない」とあり、ここで大半の受験生は「これはどういう意味だ?」と思うかもしれない。(何を隠そうこの記事を書いている私も「ブキシュ」にピンと来なかったが、ブッキッシュ(bookish/学者くさい・堅苦しい)であろうか?)
しかし、この問題はこの一節が分からなかったとしても問題はない。
直後に「ブキシュ」である理由として「須賀がイタリア文学に深く親しみ、」とあり、空欄Aが位置していることから空欄Aには同様の内容が入ることが推測できる。
よって、各選択肢の意味が分かれば、1の「自家薬籠中のもの」(自分の薬箱の中にある薬のように、自分の思うとおりに利用できるもの⇒身に付けた知識や能力)を選ぶことができるだろう。
★余談
選択肢4の「肝胆相照らす」は京産2020大問1にも出題されていた。(問われた内容は「肝胆相照らす」が傍線部に含まれており、傍線部の意味を説明するというものであった。)
このことから考えられるのは、「肝胆相照らす」自体が重要というわけではなく、産近甲龍レベルであれば故事成語や慣用句をはじめとした語彙力を有していることが「当然のものとして」求められるということである。
公募推薦入試の直前に「語彙力強化だ!」と言って慌てて対策をしても限度があるので、日常から意識して生活していってほしいところだ。
問3 内容説明問題
傍線部について説明する問題。※本問では「明らかにふさわしくないもの」を選ぶことに注意。
本問も問1と同様に、明らかな正解が分かる場合はどんどん先に進んで行くのが望ましい。
1、2、4の選択肢は本文に記述があるが、3は「矛盾を含みながらも」は本文に根拠がない。よって正解は3。
問4 空欄補充問題
★空欄補充問題は空欄部分の前後に注目!
まず、空欄Xから検討する。空欄Xの直前には「~という事実がある。そのことによって谷崎の影響がある、などと」という一文があり、空欄Xを挟んで「にいうつもりはない」と来ている。
このことから、空欄Xに入る言葉は直前部分の推論がどのような状態であるかを示していると判断できる。
ここで前文を整理すると
・谷崎を愛読したという事実
・谷崎の影響がある
となっており、「ひとりの作家の文体の形成はそんな単純なものではないだろう」と続く。
2の「楽観的」と3の「刹那的」はこの状況を表すものとして適当とはいえないため、正答は1の「断定的」か4の「短絡的」のどちらかに絞ることができる。
続いて空欄Yについて検討していく。
空欄Yの前後を確認すると「この重圧は(空欄Y)にまとわりついてくる」とあり、まずは「この重圧」が何を指しているのかを確認したい。
ここでは直前に「カタカナの重圧」という語があるのでこれを引くと、「カタカナの重圧が(空欄Y)にまとわりついてくる」となる。
この状態を示す語としてふさわしいものを当てはめれば良いのだが、空欄Yの直後の「カタカナの多様を強いられる」もヒントとなっている。この状況を端的に示したのは4の「必然的」。
本文に則して言えば、須賀本人が望もうが望むまいが、外国の様子を表すにはどうしてもカタカナを使う必要があるのである。
問5 内容説明問題
傍線部について、本文から読み取れる筆者の見解として適切なものを選ぶ問題。
「筆者の見解」であるのだから決して自分自身の意見やイメージを取り入れることなく、本文から読み取れる内容をもとに選択肢を吟味していきたい。
1 「須賀が谷崎の~結果を招いた」が不適。本文に根拠がない。
2 「谷崎の文体の~ことが明らか」が不適。1と同様に本文に根拠がない。
3 「谷崎と言う作家~ことを物語っている」が不適。こちらも本文に根拠がない。
問6 理由説明問題
傍線部について、その理由を説明する問題。筆者は須賀と森の共通点と相違点を示しており、森のエッセイについて述べた部分からの出題である。
傍線部中の「しか伝わってこない」から判断できるように、ここでは筆者は否定的に捉えていることも押さえておきたい。
1 「生成された~全力を注ぎ」が不適。本文に根拠がない。本文中には確かに「思想が形成されていく」とあるが、「その生成の過程をとらえようとした試み」とあることから、筆者は森が「思想の完成に全力を注」いだのではなく、あくまでその「過程」であるとしている。
3 「詳しく記述する~意に介していないから」が不適。本文の内容とズレている。
4 「あまらいにもきまじめで~ができないから」が不適。本文に根拠がない。
問7 内容説明問題
傍線部について、内容を説明する問題。
傍線部は抽象的にまとめられた表現になっていることから、周囲の具体例を参考に選択肢を削っていきたい。
ただ、本問は直前に「具体的な物語を~拒んでいる」「経験した世界を~支えられているといい換えてもよい」とかなり分かりやすく示してくれていることから、他の選択肢を削るまでも無く正答の1を選びたい。
他の選択肢も(一応)見ておく。
2 選択肢全体が本文の内容とズレているため不適。
3 2と同様に選択肢全体が本文の内容とズレているため不適。「読み手に追体験させる」などは本文から読み取れない。
4 こちらも他の選択肢と同様に選択肢全体が本文の内容とズレているため不適。
問8 内容一致問題
本文全体の趣旨と合致するものを選択する問題。
選択肢の中に本文と反する部分が一つでもあればその選択肢は誤りとなるため、選択肢が長文であればあるほど選択肢の「キズ」を探すことを意識したい。
1 「切り離して解説する内容の作品」が不適。本文の内容とズレている。
3 「二人の生きた~っていたことに起因」が不適。こちらも本文の内容とズレている。
4 「その後現実に~深い理解につながった」が不適。本文に根拠がない。それらしいことが本文にも書いてあるが、述べられているのは本の中の人々(架空の人物)とあたかも知己のように記述できたことや、本の中の登場人物と現実の友人・知人がエッセイの中で違和感なく交じり合えるということである。
今回はここまで🐸
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