【解答解説】龍谷大学2021公募推薦・国語大問1(現代文)

【解答解説】龍谷大学2021公募推薦・国語大問1(現代文)

こんにちは!こくご部です。

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はじめに

今回は龍谷大学2021公募推薦・国語大問1(現代文)の解答例及び解説を掲載します。

関西ではお馴染み、全国的にも根強い人気を持つ龍谷大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥

志望している人は早期の対策をおすすめします🐸

なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。


それでは行ってみましょう🔥

⇓同じ年の別の大問はこちらから


問1 漢字問題

問1

漢字と侮ることなかれ。(おそらく)1問2点×4と決して軽くない。満点で当然!くらいの勢いで臨んでほしいが、中には「何これ?どういう意味?」となってしまう受験生が少なくなさそうな問題も含まれている。
普段から漢字は書きの練習だけでなく、音読み・訓読み・語の意味も最低限合わせて確認しておきたい

解答は省略。


問2 内容説明問題

問2:1

傍線部①と②について、共通点を示す問題。
「共通点」とあることから分かるように、具体例Aと具体例Bの中に共通する部分を抽象化することができれば選択肢を削ることができる。

傍線部①と②の周辺だけでは解答を絞り込むことが難しかったとしても、本文後半のまとめに当たる部分である「その点、複数の人々が集まって~」や「なぜ、開かれた対話はうまくいくのか~」を参照すれば決定打とできる。

龍谷大学では「傍線部の周辺だけでは決め手に欠ける」と受験生が感じる問題が出題されることがあるが、文章全体の趣旨と合致するものを選ぶ問題(本問では問九)と同様に解けば問題無い

2 「利害関係が~人同士」が誤り。本文の内容とズレているため不適。

3 かなり広いくくり方になっているので完全な誤りとまでは言いづらいが、解答として最もふさわしいとは言えない。強いて言えば「一般に広く認知されている社会問題」の根拠が乏しい。

4 「悩みを抱えた様々な人々」「互いに助言をすることで」が誤り。どちらも本文の内容とズレている。医者などは助言をもらわない。


問3 理由説明問題

問3:3

傍線部について理由を説明する問題。
「対話」ではなく「会話」についての問題であることも押さえておきたい。
また、傍線部の後に「会話とは」として「会話」の定義を行っており、そこから「会話」の性質を読み取ることができれば正答を選ぶことができる問題。

1 「空間を共有する相手」「相手が見つからずに困ることがない」がそれぞれ不適。前者は読み取れなくもないが、勝手な推測や類推は現代文ではNG。解いている段階では▲とつけておく。後述の余談もチェックしてほしい。また、後者は本文に根拠がないため不適であり、後段の時点でこの選択肢は切ってほしい。

2 「互いに異なる価値観~さえすれば」が不適。これは「会話」ではなく「対話」の説明である。

4 「少数派に過ぎない」が不適。本文に根拠がない。

★余談
筆者は選択問題を解いている際には〇△▲×の観点で選択肢を検討することが多い。
〇と×は記号通り正解/不正解と判断できるものに付け、特に×については「どの部分が」「どういった観点で×なのか(ズレ/ナシ/スギの2文字を書くくらいの余裕は試験中もあるはず)を記載する
△と▲は自信がない場合に他の選択肢をチェックしてからまた戻って検討するために使用する。
試験本番では一つの選択肢に時間をかけられる場合は限られているため、他の選択肢や他の問題に移り、また後で戻ってくることをお勧めする


問4 内容説明問題

問4:1

問2と同様に傍線部中の具体例について、共通点を示す問題。

これまで「対話」や「会話」、「ディベート」などと様々なものについて述べられているが、傍線部で取り上げられているのは「ディスカッション」であることを押さえておく必要がある

また、ディスカッションについての言及は多くないので、本問の選択肢を削るにあたって苦労した受験生も少なくないかもしれないが、言及が少ないからこそまずは傍線部を吟味したい

傍線部前半では「ディスカッションはピンポンのようなもの」として「ディスカッション」を「ピンポン」に例えており、後半で「人々は考えをあちこちに打っている状態」として、どのような点が似ているのかを示している。

この「あちこちに打っている状態」を言い換えたものとして適切なのは選択肢1。「様々な相手に話しかけ」は「あちこちに打つ」の言い換えとしても矛盾はない。

2 「枠にとらわれない~伝わるようにする」が不適。本文に根拠がなく、傍線部の言い換えとして適切とは言えない。

3 「話し手は互いに~議論を盛り上げる」が不適。こちらも本文に根拠がなく、傍線部の言い換えとして適切とは言えない。

4 「互いに相手を論破~意見をたたかわせる」が不適。根拠がなく、傍線部の言い換えとして適切とは言えない。「ディスカッション」のイメージからこの選択肢を選んだ受験生も少なくないかもしれないが、現代文に自分のイメージを持ち込んだり当てはめたりするのはNGであることを肝に銘じておきたい


問5 内容説明問題

問5:2

「対話」「会話」「討論」が本文中でどのような関係として述べられているかを説明する問題。

こちらは傍線部付近の内容と選択肢を照らし合わせるだけで正答を選ぶことができる問題。それぞれの性質を混同することなく押さえ、焦らず確実に正答しておきたい問題。

1 「必要性や~いないがゆえに」が不適。本文の内容とズレている。

3 「会話と討論は~行われるが」が不適。1と同様に本文の内容とズレている。

4 「自分の見解を~点において」が不適。こちらも本文の内容とズレている。なお、「対話」は「自分の意見が変わっていくことを潔しとする」ものであると明記されていることから、この選択肢を選んでしまった場合は自分に本文を読み飛ばしてしまう癖がないか確認し、もしそうであれば猛省してほしい


問6 空欄補充問題

問6:2

★空欄補充問題は空欄部分の前後に注目!

まずは空欄Aから検討する。
空欄Aの前後を確認すると、前後とも明らかに「対話の困難さ」を述べている(特に空欄Aの後には「対話の困難さを(中略)描き出した」とある)。
このことから、逆接ではなく順接の言葉を補う必要があるため、2、4は不適。
残った1、3について空欄Bを検討していく。

空欄Bの前後では以下のような流れとなっている。
・ソクラテスが他者と「対話」しようと試みている(原因)
【空欄B】
・対話の相手だけでなく、アテナイ市民の恨みを買う(結果)

原因と結果の2点が揃っていることから、空欄Bに当てはめるものとしては3の「その結果」が適切。

なお、1の「その上に」について検討しておくと、確かに「恨みをも買ってしまった」とあることから「添加」に類する言葉を埋めるべきではないかと考える受験生もいたかもしれない。

しかしここで「添加」を意味する「その上」を補うと「ソクラテスが他者と「対話」しようと試みている」+「対話の相手だけでなく、アテナイ市民の恨みを買う」となり、二文の間に飛躍があり、適切とは言えない


問7 内容説明問題

問7:1

傍線部について、内容を説明する問題。
傍線部付近の内容と選択肢を照らし合わせるだけで正答を選ぶことができる問題であるため、確実に取りたい。

2 「作者の意識~まとまっていく」が不適。本文の内容とズレている。なお、本文に言及されていないが、本文の表現に寄せるとすればこれは「多声性」の逆の「単声性」の例と言える。

3 「作者の声をも~世界を形作る」が不適。本文の内容とズレている。

4 「互いに干渉せず」が不適。こちらも本文の内容とズレている。

★余談
本文中の「ポリフォニーはハーモニー(調和)ではない」という言葉は個人的に至言であると考える。現実を生きる我々にも調和のみが存在しているのでは決してなく、確かに不協和音が存在しているはずだ。本文を読み進めていく中で感銘を受けた一文。


問8 内容説明問題

問8:3

傍線部について、必要な行動ではないものを選ぶ問題。※本問では「明らかに合致しないもの」を選ぶことに注意。

傍線部の前の「人それぞれで簡単に済ませず」「互いに歩み寄れる地点を探り」などとあることから、互いに変化することが前提となっていることが読み取れる。

よって、3の「対話相手の意見を変えようとしない」は明らかに不適と言える。


問9 内容一致問題

問9:4

本文全体の趣旨と合致するものを選択する問題。
選択肢の中に本文と反する部分が一つでもあればその選択肢は誤りとなるため、選択肢が長文であればあるほど選択肢の「キズ」を探すことを意識したい

1「病気の原因を~謝罪の言葉」が不適。本文に根拠がなく、本文の内容ともズレている。

2 「感情的なものになりがち」「仲介役の~重要となる」がそれぞれ不適。どちらも本文に根拠がない。

3 「どんな相手でも~ことができた」が不適。本文の内容とズレている。残念ながら、理想的な対話はソクラテスほどの賢人でもできなかったようである。


今回はここまで🐸

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