【解答例・解説】山口大学2023 国語 大問1(現代文)

【解答例・解説】山口大学2023 国語 大問1(現代文)

こんにちは!こくご部です。

定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。


はじめに

今回は山口大学2023 国語 大問1(現代文)の解答例及び解説を掲載します。

「おもしろプロジェクト」で有名な山口大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥

志望している人は早期の対策をおすすめします🐸

なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答例・解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。


それでは行ってみましょう🔥

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問1 漢字問題

問1

①旺盛 ②ゆだ ③遭遇 ④せつな ⑤あきら ⑥極論 ⑦警戒 ⑧なつ

難易度としてはそこまで高いものではないので、確実に得点しておきたいところ。


問2 空欄補充問題

問2

空欄に共通する助詞を補充する問題。一つ目の空欄の直前には名詞、二つ目の空欄の直前には接続助詞が置かれており、空欄に入ることのできるものはかなり限られる。

そして、文脈を確認すると前者は「マイナスの内容」・「逆接」・空欄・「プラスの内容」であり、後者は「原因」・「理由を示す接続助詞」・空欄・「結果」となっており、本質的には空欄に入る語が存在しなくても文意が通る。つまり、強調を示す語が空欄に入っていると考えられるため、語や文を強調する「こそ」を補う。


問3 意味説明問題

問3

〈解答の方針〉
 「ちっちゃな」と「おおごと」が対になるものであり、一見すると語義矛盾を起こしているように思えるが、その場合はそれぞれのニュアンスを適切に汲み取ることが重要。

 また、今回は傍線部中に「その瞬間」という指示語が含まれているが、傍線部中に指示語が含まれている場合は、まずその指示内容を明らかにしてから解答を組み立てていく。この場合、「その瞬間」が指しているのは「介助の申し出を~リスキーな瞬間」である。

 そして、傍線部の後に置かれた引用文中に、「西島さん」自身の説明があるため、ここを解答の要素として含めるのが適切。

 解答の要素を列挙すると、以下のようになる。

・介助を受け入れる場合、だまされる可能性を完全に排除することはできないため、不確実性が極めて高く、リスキーである。
→この点においては重大な意味を持つ。

・たとえそうなったとしても、西島さんは自分の責任だと考える。
⇒この点では軽いものだと考える

これらを解答として整えると、以下のようになる。

〈解答例〉

介助を受け入れる場合、不確実性を完全に排除できないという点では重大な意味を持つが、騙されたとしても自身の責任で軽微なものだと捉えるという意味。


問4 内容説明問題

問4

〈解答の方針〉
 傍線部直前に「それ」という指示語があるため、まずその指示内容を明らかにしてから解答を組み立てていく。

「それ」は直前の名詞を指すことが原則ではあるが、ここでは直前の段落の内容をまとめて指しており、「さわる側」と「さわられる側」の抱えている不確実性は全くイコールではないということを示している。

 解答の要素を列挙すると、以下のようになる。

・「無責任な優しさ」とは、「ばったり街であった人」が、その場限りで与える優しさである。
→助けた後のことは知らない

・「さわる側」、「さわられる側」の両者が不確実性を持つが、「さわる側」の不確実性は「さわられる側」の不確実性に比べると些細なものである。
→「さわる側」:トラブルになったり、拒絶されたりするかもしれない
 「さわられる側」:殺されたりお金を取られたりするかもしれない
(・しかし、その「無責任な優しさ」が無いと生きていくことはできない。)

これらを解答として整えると、以下のようになる。
定義の説明をする場合は「〇〇とは、××である」のフレームを用いることが望ましいが、今回は文字数の関係上、カットする(別の表現でまとめる)必要がある。

〈解答例〉
介助される人の持つ、自分が殺されたりお金を取られたりするかもしれないという不確実性を意識せず、その場限りで与えるもの。


問5 指示語問題

問5

〈解答の方針〉
「それ」は直前の名詞を指すことが原則ではあるが、ここでは直前の内容をまとめて指している。
また、傍線部直後の「冒険者」は、「危険を冒して良いものを得ようとする」というニュアンスが含まれていることは押さえておきたい。

解答の要素を列挙すると、以下のようになる。
・親などの身近な人に頼れば、不確実性が少なく安心であり、楽である。
・しかしその人物がいなくなれば、生きていくことはできなくなる。
・自立するために、見ず知らずの人の「無責任な優しさ」を信じて頼ることにした。
→不確実性は大きい
・そうすることで結果的にすばらしい出会いをもたらすことがある。

これらを解答として整えると、以下のようになる。

〈解答例〉
たとえ不確実性が大きかったとしても、自立やすばらしい出会いを求め、身近な人ではなく見ず知らずの人の「無責任な優しさ」を信じて頼ること。


問6 内容説明問題

問6

〈解答の方針〉
★変化を示すものを説明する際は、「変化前」と「変化後」をそれぞれ示すのが原則。

(フレーム例)
・〇〇という状態から、××という状態に変化した。
・〇〇という状態であったが、××という状態になった。      

傍線部についてまとめると、以下のようになる。
変化前:不確実性を乗り越える「信頼」=夫の責任ある優しさを受け止められなかった
変化後:それを意識しなくなる「安心」=夫の責任ある優しさを受け止められるようになった

それぞれについて、どのようなものかを補い、説明してやればよい。

まず、前者について見ていく。

「無責任な優しさ」に頼らざることを得ないことに対する諦め
→特定の人を深く信頼することはその人に依存することにつながり、「責任ある優しさ」を受け止めることができなかった
→不確実性が消えることはなく、「責任ある優しさ」を差し出してくれる夫に対しても「緊張」が解けなかった

次に、後者について見ていく。

・相手を信頼し、接触が始まれば不確実性が減少する場合が多い
→「緊張」は次第に「安心」へ
・不確実性が脳裏から消えるときが「安心」できるときである
・「西島さん」の場合は三年かかった

〈解答例〉
特定の人を深く信じることはその人への依存につながること、不確実性を意識してしまい緊張が解けなかったことが原因で、夫からの責任ある優しさを受け止めることができなかったが、三年の接触を経て不確実性が消え、緊張が安心へと変化した結果、夫の責任ある優しさを受け止められるようになったということ。


今回はここまで🐸

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