【解答例・解説】山口大学2024 国語 大問1(現代文)

【解答例・解説】山口大学2024 国語 大問1(現代文)

こんにちは!こくご部です。

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はじめに

今回は山口大学2024 国語 大問1(現代文)の解答例及び解説を掲載します。

「おもしろプロジェクト」で有名な山口大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥

志望している人は早期の対策をおすすめします🐸

なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答例・解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。


それでは行ってみましょう🔥

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問1 漢字問題

問1

① 朱 ② 弧 ③ きょうめい ④ 顔料 ⑤ いきょ ⑥ 迫

難易度としてはそこまで高いものではないので、確実に得点しておきたいところ。


問2 空欄補充問題

問2

空欄に共通する語を補充する問題。それぞれの選択肢の意味を確認し、文意が通るように当てはめたい。なお、判断が難しい場合はこだわりすぎず、先に進んで行って後で戻ってくるのが鉄則。

 

Ⅰ エ 
「~な重要性」とつながるため、「圧倒的」「歴史的」が候補に上がるが、文脈上、一読しただけでは選択肢を絞り込めないため、判断を保留して他の空欄を埋めに行く。
「歴史的」がⅡに入るため、残った「圧倒的」を選ぶ。

Ⅱ カ
幅広い指示語である「こうした」と、「~な展開」がヒント。
幅広い指示語は前の内容を広く受けるが、ここではマンリオ・ブルサティンの言説を受けている。そして「~な展開」につながることを鑑みれば「歴史的」を選ぶことができよう。

Ⅲ オ
幅広い指示語である「このように」を用いて、これまでの内容(ここでは引用文)をまとめて、論を新たに展開していっている場面。
「AがBにつながる」という文脈上、また、筆者が新たに論を展開していくという都合上、「必然的」がふさわしいことは容易に見抜けるだろう。

Ⅳ キ
物理学者のニュートンの言葉を引用したり、「電磁波」「波長」「可視光」などの用語を用いたりしていることから判断できるように、当てはまるのは「物理学的に」である。

Ⅴ イ
修飾するのが「帯」であること、話題になっているのがその帯のうちの「ほんの一部」であることを鑑みれば、ここに補充するのは「連続的」となる。


問3 内容説明問題

問3

〈解答の方針〉
傍線部直前に「この」という指示語があるため、まずその指示内容を明らかにしてから解答を組み立てていく。
直前には「たとえば」からはじまる具体例があるが、解答の要素となるのはこの具体例ではなく、一段落目の記述である。

解答の要素を列挙すると、次のようになる。
・色彩の名がひとつの記号のシステムとして確立される
⇒象徴的な意味をはらみながら、基本色の組み合わせのシステムが少しずつ出来上がっていく
・それは当該文化の世界観に対応している

なお、挿入句があって少しややこしいが、「つまり」以降の「固有の色~ようになる」は「象徴的な記号システム」の話とは「別」であるため、解答の要素に入れてはいけない。

これらを解答として整えると、以下のようになる。

 

〈解答例〉
色彩の名が象徴的な意味をはらみながら、基本色の組み合わせが当該文化の世界観に対応しているもの。


問4 読解問題

問4

一見するとどの選択肢も似たような内容になっているように思われるが、丁寧に選択肢を吟味していく。
基本的にはズレ・ナシ・スギの観点(本文の内容とズレている/本文に根拠がない/言い過ぎである)を用いて検討していく。
また、設問には「□で囲われた部分の」という指示があることに注意。

ア 「奇跡」という文言は指定された範囲ではなく、その次とさらにその次の段落にある。よって不適。

イ 不適切な箇所を指摘できない。よって正答。

ウ 「仮説を修正」「科学的で妥当な」がそれぞれ不適。どちらも指定された範囲から読み取ることはできない。(後者の「科学的で妥当な」は、一つ目の段落に近代的な色彩論の話題があるため、▲(×にちかい△)としてもよい。)

エ 「結論に留保を加えている」が不適。本文の内容とズレている。

オ 「多義的に理解しようとしている」が不適。本文の内容とズレている。「多義的」に理解してようとしているとは読み取れない。


問5 空欄補充問題

問5

空欄の直前では「色を識別できたからこそ世界を細かく区別し、識別し、分析できた」とあることから、選択肢ウが適当であるように思えるが、選択肢中に筆者の造語のようなもの(ここでは選択肢エ中の「人間の場」があたる。)が見えた場合は、その造語が本文中に出てくるところまで判断を保留したい。

本文中、最終段落で「色とは」から始まる定義文に、その「人間の『場』」という語が見える。少し微妙ではあるが、これを見ると「筆者にとっての色とは何か」という、筆者の主張にあたる内容を示す選択肢エを選びたい。

入試本番のプレッシャーの中、制限時間内で正答にたどり着くのは至難の業であったかもしれない。


問6 内容説明問題

問6

〈解答の方針〉
「AではなくB」であるというフレームになっている。重点が置かれているのは当然後半のBであるが、それぞれの部分について分かりやすく補足することが重要。

傍線部直後の哺乳動物や鳥、ミツバチの具体例はあくまで参考にするだけに留め、解答の要素としてはいけない。(もし使用する場合は「動物」などとして抽象化すべき。)

「(色は)対象の純粋に客観的な属性ではなく」
⇒物に本質的に備わった性質ではない
「属性」:「その物に備わっている性質」のこと。

「(色は)人間と対象との知覚の関係性に立脚した関係の表現」
⇒((明示しなくとも)他の動物との対比関係にする。)色は電磁波を捉えた人間が知覚する表現である。

解答の骨組みは以下のようになる。

色は物に本質的に備わった性質なのではなく、電磁波を捉えた人間が知覚する表現であるということ。

これを解答として整える。


〈解答例〉
色は全ての生物が同様の認識になるような、物に本質的に備わった性質なのではなく、電磁波を捉えた人間が知覚する表現であるということ。


問7 理由説明問題

問7

〈解答の方針〉
傍線部直前を見ると「音楽の言語とならんで」とあり、「色は人間の根本言語」と断定していることから、「音楽」と「色」は「言語」と同じ性質を持っていると筆者が考えていると判断できる。(特に「色」は「もっとも完全な言語であるのかもしれない」と評している。)

これが解答の骨組みになるが、どのような点が「言語」と共通しているのかを本文に基づいて示していけばよい。

解答の骨組み:○○という点において、色は言語と同じ共通する性質を持つから。

解答の要素となりうるものを列挙していく。
・「(無数の色があるからこそ)この世界をこれほど~分析してこれた」
・「色として発現する~理解することができた」
・「世界と共鳴し~もたらす人間の『場』」
・「色の探求を通じて~迫ることができる」

これらを解答として整えると、以下のようになる。

 

〈解答例〉
人間が世界を細かく区別し、識別し、分析するだけでなく、世界と共鳴し、共振し、世界により一層の調和をもたらす人間の「場」であり、記号であるという点において、色は言語と同じ共通する性質を持つから。


今回はここまで🐸

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