【解答解説】近畿大学2021公募推薦(11月20日)国語大問3(現代文)法学部/経営学部

【解答解説】近畿大学2021公募推薦(11月20日)国語大問3(現代文)法学部/経営学部

こんにちは!こくご部です。

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はじめに

今回は近畿大学2021公募推薦(11月20日)国語大問3(現代文)法学部/経営学部の解答例及び解説を掲載します。

日本で一番志願者が多い近畿大学!とにかく情報処理能力が求められます。

志望している人は早期の対策をおすすめします🐸

なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答解説のみを掲載し
設問は掲載していませんのでご了承ください。


それでは行ってみましょう🔥

同じ年度の別の大問はこちら⇓



総則 

総則

まず、解説に入る前に次のことを確認しておきたい。

今回のように二つ(もしくはそれ以上)の事物や事象について、それぞれを対比して論を展開していくものについては①本文にマーク付けをする(筆者は〇、◇でそれぞれキーワードを囲うことが多い)、②余白に関係を整理する、といったシステムを自分で構築しておくことをお勧めする。

今回の本文で言えば以下のようになる。
〇:名詞=植物=専門=スペシャリスト
◇:動詞=動物=一般=ジェネラリスト=転がる石

厳密にやりすぎる必要はないが、新たな語や説明が登場する度にこういった作業を行っていくことで「本文を読み進めていくうちに混乱してしまう」という現象から解放される場合が多い
ぜひ参考にしてほしい。


問1 内容説明問題

問1:3

大問1から順番に解いていく場合は、大問3に入ると残り時間が気になってくるであろうが、そのような時だからこそ(特に近畿大学は)大意をつかむことを優先して問題を解き進めていってほしい

本問は「総則」で示したように、「動物性タイプ」と「植物性タイプ」のそれぞれの特徴を押さえられていれば難なく解ける問題である。確実に得点しておきたい。

1 「軽んじられる」が本文の内容とズレており不適。逆である。

2 選択肢全体が本文に根拠がないため不適。

4 「利活用する形で社会が成り立っている」が不適。本文に根拠がない。


問2 空欄補充問題

問2:4

★空欄補充問題は空欄部分の前後に注目!

ここでは(日本の近代文化は欧州に比べて名詞的性格が強く、)〇〇が欠け、〇〇である」という記述になっている。

まず、Aについて検討する。
日本の近代文化は名詞的性格が強いとされているため、「名詞的性格」の性質を押さえることができれば解答を絞ることができる。
本文には前の段落に「異類とは容易に結合しない」とあることから、日本の近代文化に欠けているのは1の「柔軟性」または4の「流動性」の2つに絞り込むことができる。
「柔軟性」や「流動性」があれば、周囲の状況やに合わせて自身を変容していくことができるはずであるが、それが欠けているから「異類とは容易に結合しない」と考えて矛盾はない。

なお、2の「先駆性」を当てはめた場合、本文の内容と関係が無く、3の「安定性」を当てはめた場合は本文の内容とズレてしまう。

次にBについて検討する。

ここでは「〇〇である」として名詞的性格の強い日本の近代文化について説明している。
残る選択肢は1の「反動的」か4の「非創造的」であるため、それぞれについて検討していくが、「社会の変化がはげしくな」ると「”転がる石”の価値が見直される」とされており、このような「”動詞”的存在」は「バラバラになったものを結合させ」るが、植物文化は「それを妥協といって軽蔑する」とされている。

総則で整理したように、「植物文化」は名詞的性格をもつため、同様の性質をもつが、専門性の高く、「柔軟性」や「流動性」に欠ける日本の近代文化が「反動的(ある事物と反対の力が働く)」であるとは本文から読み取ることができない。

なお、その後に「これまで~発見にほかならない」とあることからも、「発見」⇒「創造的」と類推できれば4の「非創造的」を選択することができるであろう。

また、「その結果」という語にも注目。因果関係を押さえ、選択肢の語彙の意味に着目すれば難なく解答できたかもしれない。

以上より、4が正答である。


問3 内容説明問題

問3:2

傍線部についてその理由を説明する問題。
この問題は比較的スムーズに選択肢を削れた受験生が多かったかもしれない。

3、4は選択肢全体が本文に根拠がないため不適。

残る1は「同質な物事を異化させる」が本文の内容とズレており不適。

なお、「自分をすりへらし~充分でないことになる」と合致していることから、直接2を選ぶこともできる。


問4 内容説明問題

問4:2

傍線部の内容を説明する問題。
これまでと異なり、新たな概念として「触媒的作用」が述べられている。この「触媒的作用」がどのようなものであるかを押さえておけば、こちらも比較的容易に選択肢を削ることができる。

1 「人を説得し~生み出す存在」が本文の内容とズレており不適。そもそも自分自身が変化もしなければ、対人の話でもない。

3 「相性が良い~られている場合に」が不適。本文の内容とズレている。

4 「自身の変化を~整理記録をする存在」が不適。こちらも本文の内容とズレている。


問5 内容説明問題

問5:1

傍線部について内容を説明する問題。

傍線部直後に「自然的、論理的結合の段階を卒業した精神は異類の結合を求めるようになる」とあり、これが直接的なヒントになっている。

2 「音の差異」「両者の意味~認識できない」が不適。それぞれ本文の内容とズレている。意味や概念が認識できないことが「おもしろくもおかしくもない」のではない。

3 「異なる言語で~自由になれる」が不適。本文の内容とズレている。

4 「異種と交配~発生し得る」が不適。こちらも本文の内容とズレている。


問6 内容説明問題

問6:4

傍線部について内容を説明する問題。
傍線部の後段は抽象的な言い回しになっているので、意味するところが掴みにくければ言い換え表現を探したい。「同類性(=似ている点)」を発見するために「表面をつつんでいる異類性(=表面上の違い)をとりのぞ」くのだと理解できれば、選択肢を削ることができたであろう。

1 「異なっているという~類似性を信じられる」が不適。本文の内容とズレている。

2 この選択肢と迷った受験生もいるかもしれないが、「似ている部分もあるが」「分けて考える」が不適。前者については「同類性を発見するために、まず表面上の違いを取り除き、そこに残った類似性を見る」という流れになるべきであるので、「似ている部分もある」というのがいきなり分からないはずである。また、「分けて考える」は「何を分けて考えるのか」が不明瞭であり、解答としてふさわしいと言えない。よって不適。

3 「問いそのもの~編集者失格である」が不適。本文の内容とズレており、本文に根拠もない。

なお、4の後段「そこであきらめず」以降は、最終段落の内容をまとめたものであると言えるため、解答として適切出会えると言える。

このように選択肢が切れない、切りづらい問題に直面した際は「どちらが(どれが)解答としてふさわしいか、より適切か」という観点を持つようにしたい。


問7 内容説明問題

問7:3

問4で傍線部に含まれていた「触媒的」結合についての問題。
傍線部内に「触媒的結合」が「すなわち」という語を用いて「創造、発見」と言い換えられているため、まずは傍線部の内容を確実に押さえておきたい。

1 「人間は、動物的~本性であり」「隣は何を~によって」がそれぞれ不適。前者は本文に根拠がなく、後者は本文の内容とズレている。なお、本文の言葉を引用するなど、それらしい選択肢になってはいるが、動物的存在と触媒的結合には関係がない。

2 選択肢全体が本文の内容とズレており不適。

4 選択肢全体が本文に根拠がないため不適。


問8 内容一致問題

問8:2

本文全体の趣旨と合致するものを選択する問題。

1 「忌み嫌って排斥してきた」が不適。「嫌われた」などの表現はあるが、この表現は行き過ぎ。

3 選択肢全体が本文に根拠がないため不適。

4 「外から導入していくべき」が不適。こちらも本文に根拠がない。


今回はここまで🐸

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