【解答例・解説】山口大学2023 国語 大問3(漢文)
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こんにちは!こくご部です。
定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。
はじめに
今回は山口大学2023 国語 大問3(漢文)の解答例及び解説を掲載します。
「おもしろプロジェクト」で有名な山口大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥
志望している人は早期の対策をおすすめします🐸
なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答例・解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。
それでは行ってみましょう🔥
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問1 読み問題
A もし B いわゆる C あえて
いずれも基本的な問題。全問正解できるようにしておきたい。
なお、Aの「若」という字は文頭で使われ、仮定を示す「もし」以外にも、二人称である「なんぢ(なんじ)」、比況を示す「ごとし」も押さえておきたい。
問2 返り点問題
★勘ではなく語順や句法をもとに思考する。
省略。一二点をまたいでいるため、上下点を用いる。
問三 現代語訳問題
句形と漢字の意味に注意して、逐語訳を行うのが基本。意訳は最終手段である。
指示語である「之」の扱いに少し迷うかもしれないが、「この者」などとしておくのが無難。
用いられている句形は使役(令)、仮定(いわゆるレバ則)、「可(べし)」程度であるため、脚注を参考に状況を整理していこう。
「処」の訳し方に迷う受験生が少なくないであろうが、「をレバ」という読みが当てられていること、そして対になる文章である「呼べば則ち応ふ」を参考にすると、「その場にいる」という意であると判断できよう。
この者に顔を下に向けさせると顔を下に向け、この者に顔を上に向けさせると顔を上に向け、いれば静かにしていて、呼ぶとそれに応える、これを忠臣と言うことができるか。
問4 指示語問題
「若し翟の所謂忠臣なる者を以てせば」と、傍線部の「己」を含んだ文章の解釈ができれば、難なく解答できる問題。前者の文から、「魯陽の文君」に「忠臣」について問われた「墨子」が、自らの考える「忠臣」について述べている場面であることが読み取れる。
問三と同様に「上に過ち有れば則ち之を微ひて以て諫め」と「己に善有れば則ち之を上に訪りて」は対になる表現である。これを参考にすれば、「己」は第一義としては「自分」であるが、「上(=主君)」と対になる表現であると判断できるであろう。
正解はエ。
問5 内容合致問題
こちらも問四で見た通り、「魯陽の文君」に「忠臣」について問われた「墨子」が、自らの考える「忠臣」について述べている場面である。
その「忠臣」は「上に過ち有れば則ち之を微ひて以て諫め」とあり、これが選択肢アに合致する。そのため正解はア。
念のため、他の選択肢も検討しておく。
イ 「外部に告げる」が本文の内容とズレているため、不適。
ウ 「ひたすら忠実に従う」が本文の内容とズレているため、不適。該当箇所は少し離れるが、「墨子」はそのような人物を「是れ景に似たり(中略)是れ響きに似たり」と、その者から得られるものは無いとして批判している。
エ 「心に秘めておく」が本文の内容とズレているため、不適。
山口大ではこのような誘導的な設問を用意してくれる場合が多いため(特に漢文)、ありがたく各設問を丁寧に読解していきたい。
問6 読解問題
傍線部を見ると、これも「上(=主君)」と「下(=臣下)」が対になる表現が並べられており、まずはここを丁寧に解釈したい。
状況を整理すると、忠臣が主君に対して務めを果たした場合、「上(=主君)」には「美善」「安楽」があり、「下(=臣下)」には「怨讐」「憂慼」がある状態になるということである。
これを脚注を参考にし、制限字数に収まるようにまとめたい。
「美善」「安楽」の解釈に苦労するかもしれないが、ここでは「怨讐(うらみ)」「憂慼(憂えること)」の対になる語であることを踏まえ、それぞれ「尊敬されること」「誉れ高い」、「心地よい」「穏やか」「快い」などといったプラスの意味で解釈したい。
主君は周囲からの尊敬や穏やかな心を得るが、臣下は主君の代わりにうらみや憂いを負うということ。
今回はここまで🐸
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