伊勢物語『東下り』品詞分解/現代語訳/解説②
目次
- 1. はじめに
- 2. 行き行きて、駿河の国に至りぬ。宇津の山に至りて、
- 3. わが入らむとする道はいと暗う細きに、つた・かへでは茂り、
- 4. もの心細く、すずろなるめを見ることと思ふに、修行者会ひたり。
- 5. 「かかる道は、いかでかいまする。」と言ふを見れば、見し人なりけり。
- 6. 京に、その人の御もとにとて、文書きてつく。
- 7. 駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人にあはぬなりけり
- 8. 富士の山を見れば、五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
- 9. 時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ
- 10. その山は、ここにたとへば、比叡の山を二十ばかり重ねあげたらむほどして、なりは塩尻のやうになむありける。
はじめに
こんにちは!こくご部です。
定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。
今回は伊勢物語から『東下り』について、できるだけ短い固まりで本文⇒品詞分解⇒現代語訳の順で見ていきます。
必要に応じて解説も記しておきます。
古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥
それでは行ってみましょう!
⇓前回の記事はこちらから
⇓伊勢物語の他の記事はこちらから
行き行きて、駿河の国に至りぬ。宇津の山に至りて、
行き行き | 動詞 | カ行四段活用動詞「行き行く」の連用形。 どんどん進んで行く、という意味となる。 同じ語を繰り返し用いることによって、程度を強める用法。 |
て | 接続助詞 | |
駿河の国 | 名詞 | 現在の静岡県中央部付近のこと |
に | 格助詞 | |
至り | 動詞 | ラ行四段活用動詞「至る」の連用形。 ここでは「到着する」の意味。 |
ぬ | 助動詞 | 完了の助動詞「ぬ」の終止形。 同じ完了の意味で同じ連用形接続の「つ」との違いが聞かれることもあるのでまとめておく。 「ぬ」:自然的な作用を示す場合に用いられる ⇒ ex.「風立ちぬ」 「つ」:人為的、意図的な作用を示す場合に用いられる ⇒ex.「石炭をばはや積み果てつ」 【余談】 先の用例で紹介した「石炭をばはや積み果てつ」は森鴎外『舞姫』からの引用。高校の授業で『舞姫』を扱う学校は多いが、こだわりのある先生であればこの一文字で1時間の授業ができるほどの名文と言える。興味のある人は『舞姫』の中で「つ」と「ぬ」がどのように使い分けられているかチェックしてみてほしい。 |
宇津の山 | 名詞 | 静岡市と藤枝市の境にある山のこと |
に | 格助詞 | |
至り | 動詞 | ラ行四段活用動詞「至る」の連用形 |
て | 接続助詞 |
どんどん進んで行き、駿河の国に到着した。宇津の山に到着し、
わが入らむとする道はいと暗う細きに、つた・かへでは茂り、
わ | 代名詞 | 自分。 |
が | 格助詞 | 主格用法 |
入ら | 動詞 | ラ行四段活用動詞「入る」の未然形 |
む | 助動詞 | 意志の助動詞「む」の終止形。 助動詞「む」は多くの意味をもつが、以下のように判別の手掛かりになる「ルール」があるので整理しておきたい。 ※必ず文脈判断を踏まえること。この「ルール」は「この意味になることが多い」程度の認識でいること。 【原則】 助動詞「む」が文末にある場合 ・主語が一人称⇒意志 ・主語が二人称⇒適当/当然/命令 ・主語が三人称⇒推量 助動詞「む」が文中に連体形で出てきた場合 ・「む(連体形)」+「は」、「に」、「には」、体言⇒仮定 ・「む(連体)」+体言⇒婉曲 ※婉曲は助動詞「む」を訳出しなくても文意が通じる場合。 |
と | 格助詞 | |
する | 名詞 | サ行変格活用動詞「す」の連体形 |
道 | 名詞 | |
は | 係助詞 | |
いと | 副詞 | 「たいそう」、「非常に」という訳を当て、程度が甚だしいことを示す。「めっちゃ」と脳内変換してもOK。 |
暗う | 形容詞 | ク活用の形容詞「暗し」の連用形のウ音便 |
細き | 形容詞 | ク活用の形容詞「細し」の連用形 |
に | 格助詞 | 添加の用法 |
つた | 名詞 | |
かへで | 名詞 | |
は | 係助詞 | |
茂り | 動詞 | ラ行四段活用動詞「茂る」の連用形 |
私が入ろうとする道はたいそう暗く細いうえに、つたや楓は生い茂り、
もの心細く、すずろなるめを見ることと思ふに、修行者会ひたり。
もの心細く | 形容詞 | ク活用の形容詞「もの心細し」の連用形。 「もの」は接頭語。「なんとなく~」。 以降の語と結びつき、漠然とした様態を示す語を作る。 |
すずろなる | 形容動詞 | ナリ活用の形容動詞「すずろなり」の連体形。 漢字をあてると「漫ろなり」であるとおり、はっきりとした目的や理由がない、つながりのない、といったイメージの語である。 「あてもない」、「思いがけない、無関係だ」、「むやみに」といった意味となる。 ここでは「(都にいれば起きないような)思いがけない(苦しい目)」といった意味で使われる。 |
め | 名詞 | 現代でも「痛い目に遭う」などの形で残っているが、当時とはコロケーション(母語話者にとって自然な語の結びつきやつながり)が異なるのが面白いところである。 |
を | 格助詞 | |
見る | 動詞 | マ行上一段活用動詞「見る」の連体形。 上一段動詞は基本的には10語のみと数に限りがあるため、頭文字を取って「ひいきにみゐる」で確実に暗記しておくこと。 |
こと | 名詞 | |
と | 格助詞 | |
思ふ | 動詞 | ハ行四段活用動詞「思ふ」の連体形 |
に | 接続助詞 | 「に」は下記の八つのパターンがあるため、判別できるようになっておきたい。 ①格助詞「に」 ⇒体言+「に」 ②格助詞「に」 ⇒連体形+(体言)+「に」 連体形と「に」の間に体言(「とき」「ところ」)を補うことができる ③接続助詞「に」⇒連体形+「に」 ④断定の助動詞「なり」の連用形 ⇒連体形または体言+「に」 「に」の下に「あり」「さぶらふ」「はべり」などがつくことが多い。 ⑤完了の助動詞「ぬ」の連用形 ⇒連用形+「に」 ⑥ナリ活用の形容動詞の連用形活用語尾 ⑦ナ行変格活用動詞の連用形活用語尾 ⑧副詞の一部 この場合は、「思ふ」が連体形であり、体言を補うことができないため、③であると判断する。 |
修行者 | 名詞 | ここでは、仏道修行のためさまざまな国をめぐり歩く人のこと。 読みは「すぎやうざ」。ちなみに餃子は酢胡椒で食べると美味しい。 |
会ひ | 動詞 | ハ行四段活用動詞「会ふ」の連用形 |
たり | 助動詞 | 完了の助動詞「たり」の終止形。 助動詞の「たり」は完了・存続の「たり」と断定の「たり」の二つが存在するが、前者は連用形接続、後者は体言に接続する。 意味から考えても両者は明確に区別できるはず。(完了・存続の「たり」はもともと「てあり」から生じているため、接続助詞の「て」と同様に連用形接続である。同様に、断定の「たり」は「とあり」から生じている。) |
なんとなく心細く、思いがけない(つらい)目に遭うことだと思うと、修行者が男に出会った。
「かかる道は、いかでかいまする。」と言ふを見れば、見し人なりけり。
かかる | 動詞 | ラ行変格活用動詞「かかる」の連体形。 「かくある」が変化したもの。 指示語であるため、基本的に直前の内容を受ける。 傍線が引かれ、問になっていた場合は「指示された内容を押さえてから問に答える」ということを徹底したい。 ここでは「寂しい」というニュアンスが含まれていると言える。 |
道 | 名詞 | |
は | 係助詞 | |
いかで | 副詞 | ★重要単語 下にどのような語が来るかによって訳が変わる。 推量の場合は「どうして(どのようにして)~か」「どうして~か、いや、そうではない」のような疑問または反語に、願望・意志の場合は「何とかして~」といった強い願望を示す。 この場合は単純に「どうして~か」と解釈するのが自然か。 |
か | 係助詞 | 疑問の係助詞 |
いまする | 動詞 | サ行変格活用動詞「います」の連体形。 「あり」「行く」の尊敬語。ここでは、「あり」の尊敬語として使われ、修行者から男に対しての敬意が示されている。 直前の「か」を受けて係り結びが成立している。 |
と | 格助詞 | |
言ふ | 動詞 | ハ行四段活用動詞「言ふ」の連体形 |
を | 格助詞 | |
見れ | 動詞 | マ行上一段活用動詞「見る」の已然形 |
ば | 接続助詞 | ★重要文法 接続助詞の「ば」は以下の2パターンを整理しておきたい。 ①未然形+「ば」 ( 未だ然らず、つまりまだ出来事が起きていない) ⇒仮定(もし~ならば) ②已然形+「ば」 (已に然り、もうその状態になっている) ⇒ (ⅰ)原因・理由(~なので) (ⅱ)偶然(~したところ) (ⅲ)必然(~するといつも) ここでは偶然で取ると自然か。 |
見 | 動詞 | マ行上一段活用動詞「見る」の連用形。 |
し | 助動詞 | 過去の助動詞「き」の連体形。 同じ過去でも「き」は直接過去(自身の体験)、「けり」は間接過去(他者の経験)と分けられる場合がある(混同されている場合もある)。その場合は 「き」「けり」で主語が判別できることがあるので、 それぞれニュアンスを押さえよう。 |
人 | 名詞 | 声をかけてくれた修行者は、もともとの知り合いであったのだった。 |
なり | 格助詞 | 断定の助動詞「なり」の連用形。 助動詞の「なり」は断定の「なり」と伝聞・推定の「なり」の二つが存在するが、前者は体言または連体形に接続、後者は終止形(ラ変型の活用語には連体形)に接続する。 『土佐日記』の冒頭部分、「男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり」を覚えておけば、接続が導き出せる。 |
けり | 助動詞 | 詠嘆の助動詞「けり」の終止形。 今まで気付かなかったことに、はじめて気付いてハッとする驚きや感動を表す。 |
「このような道に、どうしていらっしゃるのか。」と言う人を見ると、見知った人であったのだなぁ。
京に、その人の御もとにとて、文書きてつく。
京 | 名詞 | 都 |
に | 格助詞 | |
そ | 代名詞 | |
の | 格助詞 | |
人 | 名詞 | |
の | 格助詞 | |
御もと | 名詞 | 「御」は「おん/おほん」と読む接頭語。 敬意を表そうとする人物に関する事物につけて、尊敬を表す。 ここでは、京にいるであろう男の大切な人に対しての敬意が示されている。 |
に | 格助詞 | |
とて | 格助詞 | |
文 | 名詞 | 手紙。 |
書き | 動詞 | カ行四段活用動詞「書く」の連用形 |
て | 接続助詞 | |
つく | 動詞 | カ行下二段活用動詞「つく」の終止形。 ここでは、任せる、託す、の意味で使われる。 |
都へ、その人のお手元にと、手紙を書いて(修行者に)託す。
駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人にあはぬなりけり
駿河 | 名詞 | |
なる | 助動詞 | 存在の助動詞「なり」の連体形 |
宇津の山べ | 名詞 | |
の | 格助詞 | 「駿河なる」から「の」までが「うつつ」を導き出す序詞である。 序詞とは、ある語を飾るために、その語の前に置かれる七音以上の修飾語のこと。口語訳を行わない枕詞とは異なり、歌が詠まれた場面の理解を促すため口語訳を行う。 |
うつつ | 名詞 | 漢字をあてると「現」であるとおり、「現実」、「正気」といった意味を持つ。 ここでは「現実」の意味で使われる。 |
に | 格助詞 | |
も | 係助詞 | |
夢 | 名詞 | 古文における夢の中で異性が現れた時は、 ①自分が相手を恋しく思う ②相手が自分を強く思う どちらかであると考えられていた。 |
に | 格助詞 | |
も | 係助詞 | |
人 | 名詞 | ここでは、男が思いをよせる、都にいるであろう「人」を指す。 |
に | 格助詞 | |
あは | 動詞 | ハ行四段活用動詞「あふ」の未然形 |
ぬ | 助動詞 | 打消の助動詞「ず」の連体形 |
なり | 助動詞 | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
けり | 助動詞 | 詠嘆の助動詞「けり」の終止形 |
駿河にある宇津の山辺の「うつ」という名のように、現実にも夢にもあなたに会わないことだなぁ。
富士の山を見れば、五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
富士の山 | 名詞 | 富士山のこと。古来より様々な伝説や伝承の舞台となってきた。 |
を | 格助詞 | |
見れ | 動詞 | マ行上一段活用動詞「見る」の已然形 |
ば | 接続助詞 | |
五月 | 名詞 | 「さつき」と読む。 各月の異名と、季節区分については理解しておきたい。現代に生きる我々と感覚が違うので、「1月から数えて3カ月ごとに四季を区分していけばよい」と覚えておこう。 【春】1月:睦月、2月:如月、3月:弥生 【夏】4月:卯月、5月:皐月、6月:水無月 【秋】7月:文月、8月:葉月、9月:長月 【冬】10月:神無月、11月:霜月、12月:師走 |
の | 格助詞 | |
つごもり | 名詞 | 下旬、特に月末のこと。 月初めは「月立ち(ついたち)」という。 |
に | 格助詞 | |
雪 | 名詞 | |
いと | 副詞 | |
白う | 形容詞 | ク活用の形容詞「白し」の連用形のウ音便 |
降れ | 動詞 | ラ行四段活用動詞「降る」の已然形 |
り | 助動詞 | 存続の助動詞「り」の終止形。 接続を覚えるための語呂合わせは「サ未四已(さみしい)りっちゃん」派か「サ未四已りかちゃん」派かで分かれる。 教室に「り」で始まる子がいるとその日はイジられる可能性が高い。 |
富士山を見ると、五月末(だというの)に、雪がたいそう白く降り積もっている。
時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ
時 | 名詞 | |
知ら | 動詞 | ラ行四段活用動詞「知る」の未然形 |
ぬ | 助動詞 | 打消の助動詞「ず」の連体形 |
山 | 名詞 | |
は | 係助詞 | |
富士の嶺 | 名詞 | 読みは「ふじのね」。ここで意味が一旦切れる二句切れの歌である。 ちなみに「富士の嶺」は和歌にのみ用いられる語である「歌語」であるが、「富士の山」は歌語ではない。 |
いつ | 代名詞 | |
とて | 格助詞 | |
か | 係助詞 | 疑問の係助詞 |
鹿の子まだら | 名詞 | 読みは「かのこ(まだら)」。子鹿のように、茶色に白い斑点がある様子のこと。 |
に | 格助詞 | |
雪 | 名詞 | |
の | 格助詞 | 主格用法 |
降る | 動詞 | ラ行四段活用動詞「降る」の終止形 |
らむ | 助動詞 | 現在の原因推量の助動詞「らむ」の連体形。 助動詞「らむ」は終止形接続。 係助詞「か」を受けて係り結びが成立している。 |
季節を理解しない山は、この富士山である。いつだと思って、鹿の子のようにまだらに雪が降り積もるのだろうか。
その山は、ここにたとへば、比叡の山を二十ばかり重ねあげたらむほどして、なりは塩尻のやうになむありける。
そ | 代名詞 | |
の | 格助詞 | |
山 | 名詞 | 富士の山のことを指す |
は | 係助詞 | |
ここ | 代名詞 | 京都を指す |
に | 格助詞 | |
たとへ | 動詞 | ハ行下二段活用動詞「たとふ」の未然形 |
ば | 接続助詞 | ★重要文法 接続助詞の「ば」は以下の2パターンを整理しておきたい。 ①未然形+「ば」 ( 未だ然らず、つまりまだ出来事が起きていない) ⇒仮定(もし~ならば) ②已然形+「ば」 (已に然り、もうその状態になっている) ⇒ (ⅰ)原因・理由(~なので) (ⅱ)偶然(~したところ) (ⅲ)必然(~するといつも) ここでは未然形+「ば」なので「仮定」の意味である。 |
比叡の山 | 名詞 | 京都府と滋賀県の境にある比叡山のこと。 「比叡の山」にある 比叡山延暦寺は滋賀県(境内には京都も含まれる)に所在し、「日本仏教の母山」と呼ばれている。 |
を | 格助詞 | |
二十 | 名詞 | 読みは「はたち」。 |
ばかり | 副助詞 | 程度の副助詞。 限定の用法もあるので合わせて覚えておこう。 |
重ね上げ | 動詞 | ガ行下二段活用動詞「重ね上ぐ」の連用形 |
たら | 助動詞 | 完了の助動詞「たり」の未然形 |
む | 助動詞 | 婉曲の助動詞「む」の連体形。 助動詞「む」は多くの意味をもつが、以下のように判別の手掛かりになる「ルール」があるので整理しておきたい。 ※必ず文脈判断を踏まえること。この「ルール」は「この意味になることが多い」程度の認識でいること。 【原則】 助動詞「む」が文末にある場合 ・主語が一人称⇒意志 ・主語が二人称⇒適当/当然/命令 ・主語が三人称⇒推量 助動詞「む」が文中に連体形で出てきた場合 ・「む(連体形)」+「は」、「に」、「には」、体言⇒仮定 ・「む(連体)」+体言⇒婉曲 ※婉曲は助動詞「む」を訳出しなくても文意が通じる場合。 |
ほど | 名詞 | ★重要単語 時間、距離、空間、物体など様々な事物の程度を示す。 この場合は、山の大きさの程度を表す。 |
して | 接続助詞※ | ※諸説あり 接続助詞「して」は活用語の連用形に接続するが、この用例は例外的なものである。 |
なり | 名詞 | 物の形や恰好、という意味を持つ。 その他にも、身なり・服装という意味も持つ。 |
は | 係助詞 | |
塩尻 | 名詞 | 砂浜で砂を鉢型に盛り上げたもののこと |
の | 格助詞 | |
やうに | 助動詞 | 比況の助動詞「やうなり」の連用形。 名詞「やう」に断定の助動詞「なり」がついてできた語。 比況・例示の助動詞「ごとく」の「やうに」使う助動詞である。 |
なむ | 係助詞 | 強意の係助詞 |
あり | 動詞 | ラ行変格活用動詞「あり」が補助動詞として使われている。 「あり」本来の意味である「存在する」という意味ではなく、「~の状態である」という意味で使われていることに注意する。 |
ける | 助動詞 | 過去の助動詞「けり」の連体形。 係助詞「なむ」を受けて係り結びが成立している。 |
その富士山は、京都に例えるならば、比叡山を二十ほど重ね上げたような大きさで、格好は塩尻のようであった。
今回はここまで🐸
⇓続きはこちらから
⇓伊勢物語の他の記事はこちらから
〇本記事の内容については十分に検討・検証を行っておりますが、その完全性及び正確性等について保証するものではありません。
〇本記事は予告なしに編集・削除を行う可能性がございます。
〇また、本記事の記載内容によって被った損害・損失については一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
-
前の記事
伊勢物語『東下り』品詞分解/現代語訳/解説① 2023.12.02
-
次の記事
伊勢物語『東下り』品詞分解/現代語訳/解説③ 2023.12.03