平家物語『祇園精舎』定期テスト対策&テスト予想問題
はじめに
こんにちは!こくご部です。
定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。
今回は平家物語から冒頭部分である『祇園精舎』について、定期テスト対策&テスト予想問題と題して記していきます。
学校の定期テストに頻出と思われる典型問題を掲載しますので、定期テスト対策の足掛かりとして進めていきましょう。
また、テキストの異同や細かな差異が想定されるため、必ずお手元の教科書や学校で配布されたプリントをもとに勉強を進めましょう。
必要に応じて解説も記しておきます。
古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥
それでは行ってみましょう!
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①基本語の読み(歴史的仮名遣い)と意味
まずはここから。テスト週間は読みと意味を押さえた上で毎日音読するのがおすすめ!直前の確認にも活用してください!
祇園精舎 | ぎをんしやうじや | 釈迦が多くの説法を行ったとされる、古代、中インドにあった寺の名前。 |
諸行無常 | しよぎやうむじやう | ここでは「この世のすべてのものは、常に変化し永遠に不変のものはないということ」。 |
沙羅双樹 | しやらさうじゆ | インド原産の木の名前。釈迦が亡くなったときにその四方を囲って生えていたが、釈迦の死去を悲しんで枯れてしまい、弦のように白くなって亡くなった釈迦を覆ったといわれている。 |
盛者必衰 | じやうしやひつすい | 勢いの盛んな者も必ず衰えるということ。 |
おごる | 漢字を当てると「驕る」。思い上がる。 | |
久し | おっしゃる。「言ふ」の尊敬語。 | |
猛し | たけし | 勢いが盛んである。 |
異朝 | いてう | 外国のこと。ここでは特に中国のこと。 |
とぶらふ | 漢字を当てると「訪ふ」となり、「尋ねる(訪ねる)」の意味。 | |
旧主先皇 | きうしゆせんくわう | 先代の君主 |
諫め | いさめ | 臣下から主に行う忠告 |
本朝 | ほんてう | 本国,、つまり日本のこと |
朝臣 | あ(つ)そん | 平安時代に、五位以上の貴族男子の姓または名の下に付けた敬意を表す語のこと。 |
後胤 | こういん | 子孫 |
嫡男 | ちやくなん | 正妻の生んだ(最初)の男子のこと。 |
賜る | たまはる | 「受く」「もらふ」の謙譲語、「与える」の尊敬語の意味がある。 ここでは「もらふ」の謙譲語 |
②文法的説明問題
特に助動詞の意味については頻出。「文法的に説明せよ」という指示があれば、①(動詞であれば)活用の種類/(助動詞等であれば)意味、②品詞、③基本形、④活用形を答えるのが基本!
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 |
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 | 比況の助動詞「ごとし」の終止形 |
猛き者もつひには滅びぬ、 | 強意の助動詞「ぬ」の終止形。 |
遠く異朝をとぶらへば、 | 已然形+ば。ここでは偶然条件。 |
天下の乱れんことを悟らずして、 | 婉曲の助動詞「む(ん)」の連体形。 助動詞「む(ん)」が文中に連体形で出てきた場合 ・「む(連体形)」+「は」、「に」、「には」、体言⇒仮定 ・「む(連体)」+体言⇒婉曲 ※婉曲は助動詞「む」を訳出しなくても文意が通じる場合。 |
民間の愁ふるところを知らざつしかば、 | 打消の助動詞「ず」の連用形の促音便 |
民間の愁ふるところを知らざつしかば、 | 過去の助動詞「き」の已然形。 |
久しからずして、亡じにし者どもなり。 | 打消の助動詞「ず」の連用形。 なお、品詞分解をすると「久しから/ず」であり、「久し/から/ず」ではないことに注意。 |
久しからずして、亡じにし者どもなり。 | サ行変格活用動詞「亡ず」の連用形 |
久しからずして、亡じにし者どもなり。 | 完了の助動詞「ぬ」の連用形。 直後に過去の助動詞を伴う場合の助動詞「つ」「ぬ」は完了で解釈するのが基本。 |
久しからずして、亡じにし者どもなり。 | 過去の助動詞「き」の連体形 |
久しからずして、亡じにし者どもなり。 | 断定の助動詞「なり」の終止形 |
これらはおごれる心も猛きことも、 | 存続の助動詞「り」の連体形 |
みなとりどりにこそありしかども、 | 過去の助動詞「き」の已然形 |
みなとりどりにこそありしかども、 | 逆接の接続助詞。已然形接続ということも押さえておきたい。 |
伝へ承るこそ、心も言葉も及ばれね。 | 可能の助動詞「る」の未然形 |
伝へ承るこそ、心も言葉も及ばれね。 | 打消の助動詞「ず」の已然形。 ここでは係助詞「こそ」を受けて、係り結びが成立している。 |
讃岐守正盛が孫、刑部卿忠盛朝臣の嫡男なり。 | 断定の助動詞「なり」の終止形 |
かの親王の御子、高視の王、無官無位にして失せたまひぬ。 | 完了の助動詞「ぬ」の終止形 |
③現代語訳問題
①単語と文法を駆使して逐語訳を行うこと(意訳は最終手段!)②解答に文法的な要素が絡む場合は「文法を分かっていることが明らかな答案」にすること の2点が重要!
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 | 祇園精舎の鐘の音は、この世の全てのものは常に変化し、不変のものはないという響きがする。 (ポイント) 特に冒頭部は暗唱できるようにしておきたい。 |
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 | 沙羅双樹の花の色(が一瞬にして変わったこと)は、勢いの盛んな者も必ず衰えるという道理をあらわす。 (ポイント) 同上。 |
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 | 思い上がっている人も長くは続かず、ちょうど春の夜の夢のよう(にはかないもの)だ。 (ポイント) 同上。 |
遠く異朝をとぶらへば、 | 遠い中国に尋ねると、 (ポイント) ・「異朝」はここでは中国を指す。 ・已然形+「ば」の形になっており、ここでは偶然条件で解釈する。 |
楽しみをきはめ、諫めをも思ひ入れず、天下の乱れんことを悟らずして、 | 楽しみを極め、(人の)忠告をも深く心にとどめず、天下が乱れるようなことを悟らないで、 (ポイント) ・助動詞「ん」は婉曲。文中であることが判断のポイント。 ・主語は先にある「秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の禄山」の四人。 |
民間の愁ふるところを知らざつしかば、 | 人民が嘆くところを知らなかったので、 (ポイント) ・「ざつ」:打消の助動詞「ず」の連用形の促音便 ・「しか」:過去の助動詞「き」の已然形。 ・この「已然形+ば」は原因・理由で解釈している。 |
みなとりどりにこそありしかども、 | みなさまざまであったが、 (ポイント) ・「しか」:過去の助動詞「き」の已然形。 |
伝へ承るこそ、心も言葉も及ばれね。 | 伝え受け継ぐことは、想像もできず言葉で表すこともできない。 (ポイント) ・「ね」:打消の助動詞「ず」の已然形 |
④読解問題
様々な種類の問題が想定されるが、大事なのは「問われたことに対して答えること」。問と解答がマッチしているか必ず確認しよう。
「春の夜の夢」とあるが、これはどのようなことのたとえか。十字程度で説明せよ。 | 解答例 短く、はかないこと。 |
「風の前の塵」と同様の意味で用いられている語を本文から抜き出して答えよ。 | 春の夜の夢 |
「異朝」と対になる語を本文から抜き出して答えよ。 | 本朝 |
①「秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の禄山」について説明した箇所と、②「承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼」について説明した箇所をそれぞれ抜き出せ。 | ①「これらはみな~者どもなり。」 ②「これらはおごれる~こそありしかども」 |
今回はここまで🐸
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