【古典文法】助動詞の覚え方とコツ・ポイント3選
はじめに
こんにちは!こくご部です。
定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。
古典文法の中核を成すと言っても過言ではない助動詞。
「古文の助動詞って結構多いけど、どうやって覚えたらいいの?」
「暗記が苦手過ぎて無理」
そんな声をこれまでたくさん聞いてきましたが、今回はその助動詞を何とかマスターできるようにという願いを込めて、助動詞をどのようにして覚えるべきか、そのコツや覚え方などについて解説します。
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①覚える期間について
受験生
この記事を読んでくれているそこのあなた。
学力や学習の状況は様々だと思いますが、助動詞を覚え切っていない状態で既に高校3年生の夏休みを過ぎてしまっているのであれば、ほぼ赤信号だと思ってください。
本当に受験を「したい」と思っているのであれば、今からの1週間で何とか形にしましょう。
そのくらい大切な基礎であり、得点に直結する重要なものでもあります。
非受験生
来年、受験を迎えるわけではないという方は、比較的余裕があります。
「受験勉強をスタートしよう」と思ったのか、「学校でテストを課されているから暗記しなければ」と思ったのかはさておき、「覚えよう」と思ったこのタイミングでまとまった時間を取りましょう。
筆者の経験上、「1日1個覚えよう」と考えると上手く行かない場合が多いです。
ひとこと
人間は忘れる生き物です。
なかなか覚えられなかったり、すぐに頭から抜けて行ってしまったりしても自分自身を責める必要はありません。
勉強全般に言えることですが、一定の目標を達成できない時に原因としてまず考えられるのは勉強の「量」と「質」です。
月並みな表現ですし、「そんなことは当たり前ではないか」と思う人も多いとは思いますが、当たり前のことを当たり前にやりましょう。
特に、古典文法のような「単純暗記もの」は圧倒的に「量」の問題であることが多いです。なかなか覚えられなければその知識に触れる回数を増やせばいいのです。
「自分には記憶力がない」と嘆くのはその後です。
洗面台やトイレの壁に覚えたいものを貼っていますか?SNSを開く前に単語帳や参考書を開いていますか?
「説教臭くて気に入らない」と思われても構いません。
勉強に裏技なんて存在しないのです。一段一段昇って行くしかないのです。
しかし、(特に勉強は)努力が報われる可能性が高いものです。この記事があなたの目標を達成するための一助にでもなれば幸いです。
②覚える際のポイント・注意すべき点について
前置きが長くなりました。ようやく本題に入りますが、助動詞を覚える際は次のポイントに留意しましょう。
- 意味
- 接続
- 活用
- 助動詞の意味の使い分け
念のため①~④のそれぞれについて簡単に説明しておきます。
- ①意味(文法的意味):その助動詞が動詞にどのようなニュアンスを付け加えるのか
- ②接続:その助動詞の上に来る語の活用形が何形になるのか(その助動詞が上に来る語の活用形を何形にするのか)
- ③活用:その助動詞自体の活用形がどのように変わるのか
- ④助動詞の意味の使い分け:複数の意味を持つ助動詞が、どのようなルールで意味を使い分けられているか
ひとこと
①意味
助動詞で最も大事なのがこの「意味」です。
まずはその助動詞がどんなキャラクターなのかを理解しましょう。
また、「推量」と「推定」の違いや「婉曲」の意味(「婉曲」を読めない人が結構います)など、関連知識も併せて持っておくと記憶に残りやすいと思われます。
②接続
「未然形接続のグループ」「連用形接続のグループ」などと、助動詞を分類して覚えることをお勧めします。
後述の「語呂合わせ」や「歌」で覚える人は、使おうとしているものが接続ごとにグループ分けしてあるかどうかをチェックするのも大事です。
③活用
用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用が怪しい人は先に用言の活用について確認しましょう。
ラ変型・形容詞型など、用言の活用が頭に入っていれば脳のリソースを節約できます。
④助動詞の意味の使い分け
試験までの残り時間によりますが、「まずは①~③を優先し、④は本文読解と併せて頭に入れていく」という形が最も望ましいのではないかと思われます。
また、「助動詞の一覧表を頭に入れる」というテストでは④を覚える必要はありません。(古文を読解するには必須の知識です)
③助動詞の覚え方・覚える方法について
ここからは何パターンか覚える方法を紹介します。
どのような覚え方で勝負するにせよ、大事なのは「自分が覚えられるまで繰り返すこと」です。
魔法のような方法はありません。
「何時間やったか」「何周したか」ではなく、「自分が覚えられたかどうか」が何よりも大事です。
①自力で空白の一覧表を埋めてみる
学校で白紙にした助動詞の表が配られている人も多いと思います。
「うちは配られていない」という人も、ネットにアップしてくれているサイトもあります。
今手にしているデバイスで検索してみましょう。
この方法では「自分で埋める」という行動が大事です。
最初は文法書などの見本を見ながらでも構いませんが、目標は何も見ずに再現することです。
ただの作業にならないように、自分で思い出すことを忘れないようにしましょう。
②語呂合わせ・歌を利用する
ネットには「助動詞 歌」「助動詞 語呂合わせ」で検索すると、実に多くの「先人の知恵」が見つかります。
有名どころでいくと、「もしもしかめよ」「桃太郎」などの童謡を使用したものがあります。
こうした「リズム」「音階」のあるものは記憶に残りやすいため、おすすめの手段の一つです。
ただし、前述したように、脳のリソースをできるだけ節約できるようなものを選ぶことが重要です。
受験までの残り時間(1カ月を切っているような状態であればほぼ手遅れですが…。)を考えると、求められるのは瞬間的な記憶ではなく、長期かつ「使い勝手のよい」記憶です。
「今まで語呂合わせを使って覚えていたけど、必要な知識を引っ張り出すのに時間がかかりすぎる」「覚えにくい」と言う人は、思い切って違うもので覚えなおすのも手です。
③暗記アプリ・フラッシュカード・暗記カードを使う
今みなさんが手にしているデバイスは、動画やマンガを見たり、インターネットで調べものをしたりするためだけのものではありません。
学習に使えるアプリも世の中にたくさんあります。
例えば「Anki」という暗記アプリは、自分が苦手なものや、記憶が薄れかかったものを出題してくれる優れものです。
難点としては最初に覚えたいものを設定することに時間と労力が少なからず必要です。(これはアナログの暗記カードなども同様です。)
こうした新しい技術も柔軟に取り入れていくことができると良いと思いますが、スクリーンを見る時間と頻度には気を付けましょう。
④解説系の参考書を有効活用する
長期的な視点で見ると、上述のように「脳のリソースを意識しない覚え方」(=丸覚え)や、「使い勝手の悪い覚え方」は避けたいものです。
そのため、「その助動詞がどのようなものか」を本質的に理解するのが重要ですが、時間がかかるという弱点(?)もあります。
「学問に王道なし」ということでしょうか。
学校で使用している文法書の中にも優れているものはありますが、「講義形式」(=会話調)の方が頭に入りやすいという人の方が多いのではないでしょうか。
有名どころでいくと『富井の古典文法をはじめからていねいに』(こちらは『富井の古文読解をはじめからていねいに』と併せて、初学者には大変おすすめできる参考書です)や、『岡本梨奈の 1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』などを活用してください。
長々と書いてきましたが、大事なのは「自分が覚えられるまで/自分で説明できるまで勉強する」というのがどの科目でも重要だと思います。
あなたの(受験)勉強がうまくいき、あなたが望む未来に近づくことができることを願っています。
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