【解答例・解説】山口大学2020 国語 大問1(現代文)
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こんにちは!こくご部です。
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はじめに
今回は山口大学2020 国語 大問1(現代文)の解答例及び解説を掲載します。
「おもしろプロジェクト」で有名な山口大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥
志望している人は早期の対策をおすすめします🐸
なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答例・解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。
それでは行ってみましょう🔥
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問1 漢字問題
①到底 ②せいきょ ③ひた ④びょうしょう ⑤絶 ⑥称 ⑦仰 ⑧あいせき ⑨えとく
難易度としてはそこまで高いものではないので、確実に得点しておきたいところ。
問2 空欄補充問題
空欄に共通する接続詞を補充する問題。それぞれの選択肢の役割(意味)を確認し、文意が通るように当てはめたい。
しかも:添加
したがって:順接
ところで:話題の転換
なぜなら:原因・理由
Ⅰ:文頭であり、話題の転換を示す「ところで」が入りそうだと仮定して読み進めていくと、「空穂の文学史・短歌史な位置づけ」から、「精神の変化」に話題が転換されている。よって「ところで」を選択する。
Ⅱ:文末を見ると、「~からである」で結ばれているため、「なぜなら」を当てはめる。
Ⅲ:「精神は変化する」という話題から、「精神の働きを考察の対象にするなら、それは動く的に矢を射るようなものだ」と展開している。よって「したがって」が入る。
Ⅳ:「動く的」の話題をさらに広げており、添加の「しかも」を当てはめる。
問3 読解問題
一見するとどの選択肢も似たような内容になっているように思われるが、丁寧に選択肢を吟味していく。
基本的にはズレ・ナシ・スギの観点(本文の内容とズレている/本文に根拠がない/言い過ぎである)を用いて検討していく。
ア 「衰えと無縁だった」が不適。本文の内容とズレている。本文には「空穂の肉体は~著しい衰えを示していた」とある。
イ 「空穂が死後の~ように感じられ」が不適。本文に根拠がない。
ウ 「生と死の境界が判然としない」が不適。本文の内容とズレている。
オ 「苦痛の少ない」が不適。こちらも本文の内容とズレている。
不適切な部分を指摘できない、エが正解。
問4 理由説明問題
傍線部に「このこと」という指示語があるため、まずその指示内容を明らかにしてから解答を組み立てていく。
「このこと」は直前の名詞を指すことが原則ではあるが、ここでは直前の内容をまとめて指しており、「空穂は自らの内側(自らの精神)を向き、集団に属さず独りで作品を生み出してきた」ということを示している。
続いて、傍線部の直後に「~からである」という文章が続くため、その部分をまとめる。
文章が長くなっていて分かりにくい場合は、( )をつける、修飾語を取り払うなどして文構造を丁寧に把握することが重要である。ここでは「AとBとは、一定の相関関係があるが、完全に一致はしない。方向や次元が異なる別物である」という構造である。
これにAとBの内容を整理すれば、解答の要素が揃う。
A:精神が外部に向けて作り出したものの歴史→文学史
B:精神を作品として新たに作り続ける、精神の働きの歴史→創造行為そのものの歴史
これらを解答として整えると、以下のようになる。
空穂は独りで作品を生み出してきたが、これは自らの内側に素材と領域を有していたためであり、精神が外部に向けて作り出したものの歴史である文学史とは方向や次元が異なるものであるから。
問5 説明問題
〈解答の方針〉
現代文頻出概念である「逆説的」について確認しておく。
「逆説的」とは、「一見すると真理に反しているように見えるが、実は真理を表しているもの・こと」「一見、一般的な考えや事実とは異なるように思えること」である。
ここでは「空穂が既成の権威や、自分自身を権威とすることに興味がなかった」ということに対し、「(普通であれば)権威に興味がないということは、自らが他人にどのように評価されるかということもどうでもよいと考えるであろう」という一般的な推論を裏切っていることに対して「逆説的」と述べられている。
なお、ここでは「何が」逆説的なのかを答える設問であることに注意。
〈解答例〉
空穂が既成の権威を敬ったり、自分自身を権威化することに生涯を通して無関心であったのは、自愛心が深く、自分自身への絶えることのない関心があったからであるということ。
問6 正誤問題
それぞれの選択肢について、その正誤を確認していく。
問三と同様に、選択問題は基本的に「ズレ・ナシ・スギの観点(本文の内容とズレている/本文に根拠がない/言い過ぎである)」を用いて検討していく。
ア 「その著作の評価~言いがたい」「不動の運動を~困難なため」がそれぞれ不適。本文に根拠がない。本文中に空穂の著作の評価に対する記述は見られない。
イ 正しい。
ウ 「野心家としての心構え」が不適。本文に根拠がない。二人の師がいたことは正しいが、「野心家としての心構え」を学んだことを本文から読み取ることはできない。
エ 「重んずべき権威~位置づけた」が不適。本文の内容とズレている。空穂は自分自身の権威化に生涯関心がなかったという記述が本文に見える。
オ 正しい。
今回はここまで🐸
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