【解答例・解説】山口大学2022 国語 大問3(漢文)
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こんにちは!こくご部です。
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はじめに
今回は山口大学2022 国語 大問3(漢文)の解答例及び解説を掲載します。
「おもしろプロジェクト」で有名な山口大学。憧れをもつ受験生も少なくありません🔥
志望している人は早期の対策をおすすめします🐸
なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答例・解説のみを掲載し、設問は掲載していませんのでご了承ください。
それでは行ってみましょう🔥
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問1 読解問題
★五言詩を見たら二字・三字で区切る!
詩に描かれた季節を答える問題。
ヒントになるのは第一句中の「揺落(木々が落葉する:秋以降)」、第二句「霜葉(霜が降りた葉:晩秋・暮秋以降)」、「擣寒衣(寒い時節に着る着物にきぬたを打つ:晩秋・暮秋。)」。
答えは晩秋。
問2 読解問題
詩に描かれた時間を答える問題。
ヒントになるのは第一句中の「暮天(夕暮れの空)」、第五句「月初上(月が上ったばかり)」。
答えは日暮れ~夜にかけて。
問3 押韻問題
押韻は
①五言詩:偶数句末
②七言詩:代一句末+偶数句末
で押韻するのが原則。
記憶が混ざってしまった受験生も、今回は「4つ」という指示もあって事なきを得たかもしれない。
答えは稀・飛・帰・衣。
問4 解釈問題
詩に込められた思いを読み取る際には、詠まれた内容はもちろん、用いられている漢字にも着目することが重要である。
今回であれば第三句「孤城」・第四句「独鳥」、第六句「未帰」からもの寂しいような感覚=「孤独感」や、他から取り残されたような気持ち=「疎外感」を読み取ることができる。
なお、プラス・マイナスで選択肢を分ければ、その時点で選択肢の半数を消すことができた。
問5 返り点問題
★勘ではなく語順や句法をもとに思考する。
今回は律詩の頷聯(第三句・第四句)、頚聯(第五句、第六句)が対句になること、「未」が再読文字であるということが見抜けていれば難なく解答できた。
対句:「連続する二句」で「意味的・文法的」に対応した語句を用いること。
① 第四句にレ点が用いられているため、これと同様にレ点を補い「みずにむかいて」とする。
現代仮名遣いかつひらがなと指示されているので、それに合わせる。
②先に述べたように、「未」は再読文字であるため、二度読む。
現代仮名遣いかつひらがなと指示されているので、「いまだかえらず」。
問6 現代語訳問題
直訳を心がけ、意訳は必要最小限にとどめる。
今回は返り点と句法に則ったうえで、脚注を参考に直訳をすれば難なく解答できる問題であった。
渡し場では月がやっと上ったばかりで、隣の家は漁に出ており、まだ帰ってきていない。
問7 主題問題
「この詩を通して」とあることから、詩全体に込められたメッセージ・テーマを読み取る。問四で「孤独感」「疎外感」という語を得ているため、それを活用したい。また、第七句に詠み手の「心の叫び」ともいえる「郷心正欲絶(故郷を懐かしく思う気持ち)」が見えるが、これを「孤独感」「疎外感」と結びつけ、制限字数にまとめたい。
漢詩の主題を説明する際に便利なフレームは「情景・設定(場所・時期など)→事物・契機→心情」である。(和歌では「自然」と「人事」と説明されることが多い。)ここでは以下のようなものである。
情景・設定:晩秋、旅館
事物・契機:「孤城」「独鳥」「未帰」「擣寒衣」など
心情:「孤独感」「疎外感」→「望郷」
晩秋の旅館で寂しさを感じさせる事物に触れ、孤独感や疎外感が募り、きぬたを打つ音に極度の望郷の念を感じた。
今回はここまで🐸
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