伊勢物語 六段『芥川』定期テスト対策&テスト予想問題

伊勢物語 六段『芥川』定期テスト対策&テスト予想問題

はじめに

こんにちは!こくご部です。

定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。


今回は伊勢物語から『芥川』について、定期テスト対策&テスト予想問題と題して記していきます。

学校の定期テストに頻出と思われる典型問題を掲載しますので、定期テスト対策の足掛かりとして進めていきましょう

また、テキストの異同や細かな差異が想定されるため、必ずお手元の教科書や学校で配布されたプリントをもとに勉強を進めましょう。

必要に応じて解説も記しておきます。

古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥

それでは行ってみましょう!

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①基本語の読み(歴史的仮名遣い)と意味

まずはここから。テスト週間は読みと意味を押さえた上で毎日音読するのがおすすめ直前の確認にも活用してください!
よばふ求婚する
わたる                  ずっと~する
率るゐる連れて行く
置く  (霜が)降りる
かれあれ
行く先ゆくさき(これから逃げていく)前途
かみ
いみじ程度がはなはだしい。ひどい。
あばらなり荒れ果てた
胡籙やなぐひ矢を入れて背負う武具
ゐる座っている
あなやああー。あれー。
足ずりあしずり地に足をすりつけるようにする仕草。現代で言う「地団駄(じだんだ)」。
かひなしどうにもならない


②文法的説明問題

特に助動詞の意味については頻出。「文法的に説明せよ」という指示があれば、①(動詞であれば)活用の種類/(助動詞等であれば)意味、②品詞、③基本形、④活用形を答えるのが基本!

昔、男ありけり過去の助動詞「けり」の終止形
え得まじかりけるを同格の格助詞
「女」と「え得まじかりける(女)」が同じ人物のことを指す。
女の得まじかりけるを後ろに「打消」を伴って「不可能」の意味を表す。
女のえ得まじかりけるを打消推量の助動詞「まじ」の連用形
「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける過去の助動詞「けり」の連体形

ここでは係助詞「なむ」を受けて、係り結びが成立している。
夜もふけければ完了の助動詞「ぬ」の連用形

過去の助動詞と共に使われている「つ」「ぬ」は完了で解釈するのが基本。
夜もふけにけれ過去の助動詞「けり」の已然形
夜もふけにけれ已然形+「ば」は以下の3パターン。
(ⅰ)原因・理由(~なので)
(ⅱ)偶然(~したところ)
(ⅲ)必然(~するといつも)

ここでは原因・理由で解釈したい。
鬼ある所とも知ら「で」は打消接続の接続助詞。
さへいといみじう鳴り添加の副助詞。
「~までも」と訳し、「〇〇の上に××までも」と付け加える働きがある。
神さへいといみじう鳴りシク活用の形容詞「いみじ」の連用形「いみじく」のウ音便
はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに他への願望の終助詞。「~してほしい」。
はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに存続の助動詞「たり」の連用形
鬼はや一口に食ひけり完了の助動詞「つ」の連用形
先に見た「夜もふけければ」と同様に、完了で解釈する。
神鳴る騒ぎに、聞かざりけり後ろに「打消」を伴って「不可能」の意味を表す。

冒頭の「女の得まじかりけるを」と同様。
神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり打消の助動詞「ず」の連用形
白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えましものを強意の助動詞「ぬ」の未然形

後に「推量」や「推定」の助動詞がある場合、基本的に「完了」ではなく「強意」の意味で訳出を行う。
白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを実現不可能な希望の助動詞「まし」の連体形
白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを詠嘆の終助詞


③現代語訳問題

①単語と文法を駆使して逐語訳を行うこと(意訳は最終手段!)②解答に文法的な要素が絡む場合は「文法を分かっていることが明らかな答案」にすること の2点が重要!

女のえ得まじかりけるを女であって(男が)手に入れることができそうになかった女を

(ポイント)
・同格の「の」は「イコール関係」もしくは後置修飾として捉える
・呼応・陳述の副詞「え」は打消を伴って「不可能」の意味になる
・助動詞「まじ」の訳出
芥川といふ川を率て行きければ芥川という川を(男が女を)連れて行ったところ

(ポイント)
・已然形+「ば」の訳出:ここでは偶然条件(~したところ)
鬼ある所とも知らで(男は)鬼がいる場所とも知らないで

(ポイント)
・打消接続「で」
はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに一刻もはやく夜が明けてほしいと思いながら座っていたところ

(ポイント)
・終助詞「なむ」は他への願望:「~してほしい」
・「ゐる」は座っている。
白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを「あれは真珠でしょうか、何でしょうか。」とあの人が尋ねたとき、「露ですよ。」と答えて消えてしまえばよかったのになぁ。

(ポイント)
・和歌の解釈(自然/人事に分けて解釈)
○自然(詠んでいる人物が目の当たりにしている世界についての描写)
○人事(歌のテーマ、言いたいこと)

・「人」はいとしいあの人=男が連れて逃げて来た「女」
・「な」:強意の助動詞「ぬ」の未然形
・「まし」:実現不可能な希望の助動詞「まし」の連体形
・「ものを」:詠嘆の終助詞


④読解問題

様々な種類の問題が想定されるが、事なのは「問われたことに対して答えること」。問と解答がマッチしているか必ず確認しよう。

「男」は誰であるとされているか。在原業平
「いと暗きに来けり」とあるが、なぜ「暗」い時間帯を選んだのか。解答例
「男」は追手を恐れていたから。
「草の上に置きたりける露を、『かれは何ぞ。』となむ男に問ひける」とあるが、この一文から「女」はどのような人物であると想像されるか。解答例
身分の高い箱入り娘
「神さへいといみじう鳴り」とあるが、何に何が重なっているのか。本文の言葉を用いて答えよ。解答例
「行く先多く、夜も更け」ていることに、「神」までが「いみじう鳴」っていること。
「はや夜も明けなむ」について、①現代誤訳した上で、②何故そのように思っているのかを説明せよ。解答例
①はやく夜が明けてほしい
②女と早く遠くに逃げたいから。
「え聞かざりけり」とあるが、①「男」は何を聞くことができなかったのか。また、②何故聞こえなかったのか。解答例
①鬼に食われた「女」の悲鳴
②雷の音がすさまじかったから。
「足ずりをして泣けども、かひなし」とあるが、「男」は何故「足ずり」をしているのか。解答例
やっとの思いで盗み出した「女」が(鬼に食われて)姿を消してしまっていたから。
「白玉かなにぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを」という和歌について、①「人」が差しているのは誰か、②この和歌に込められた思いを二字熟語で表現するとしたら何か答えよ。解答例
①「女」
②悔恨、後悔 など


今回はここまで🐸

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