【傾向分析・解答解説】青山学院大学2021 法学部(法学部A方式 総合問題)

【傾向分析・解答解説】青山学院大学2021 法学部(法学部A方式 総合問題)

こんにちは!こくご部です。

定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。


はじめに

今回は青山学院大学2021 法学部(法学部A方式・総合問題)の解答例及び解説を掲載します。

なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答解説や対策方法のみを掲載し、
設問は掲載していませんのでご了承ください。


それでは行ってみましょう🔥


総合問題の対策・解答方針

2021年度入試から選抜方式が大きく変更された青山学院大学。

独自試験のみから共通テスト併用に移行されましたが、そもそもどのような試験が課されるのでしょうか。

まずは改めて確認してみましょう。

【個別学部日程】法学部(A方式)入試概要(2022年度)

共通テスト 
 国語(計200点を100点に換算):100点
 地歴公/数(選択科目の100点を35点に換算):35点
 外国語(計200点を100点に換算):65点
 合計 200点

独自問題:総合問題 200点 以下の科目の総合問題を出題
 国語総合(古文・漢文を除く)
 日本史B・世界史B(ともに17世紀以降の範囲)
 政治経済

共通テストと独自問題の配点が1:1の割合になっています。
これを見ると独自試験、つまり総合問題の出来が勝負を左右することは一目瞭然です。

しかし昨年度の受験生と異なり、今年度の受験生はサンプル問題以外に過去問があるため、
しっかり対策することができます。

今回はまず求められる力やっておきたい対策について考えた後、
(こくご部なので)国語の観点を中心に問題の解答解説を行っていきます。


総合問題対策として求められる力とやっておきたい対策

青山学院大学法学部の総合問題対策として必要な力と対策は、大きく分けて以下の3つです。

語彙力

・大問Ⅰ、Ⅱで類義語・対義語問題漢字の読み問題が出題されている。

⇒まずは辞書的な意味を理解して身に付けておくことは大前提。(対策:漢字の対策と合わせ、語彙の習得(評論頻出語彙を中心に)

・大問Ⅲを中心に、主に政治思想の用語説明が出題されている。

⇒1問1答的な演習では対応できない。その用語がどのようなもので、どのような背景があるのか等を含めて自分で説明できるようにしておく。(対策:政経の教科書や参考書に書かれた用語の説明を見たあと、何も見ずに自分で再生できるようにする

読解力

・大問Ⅱを中心に、特定の状況(投票行動や議員定数の増減など)を提示され、自身で「適切」な解答を導き出す問題が出題される。

⇒状況を正確にイメージする力が必要。日本史/世界史、政経の知識が必要な問題も、選択肢がどのような状況を指しているかをイメージすれば消去できるものが非常に多い。「つまりこれはどういう状況なのか」「何が言いたいのか」を把握することが求められる。(対策:特に政経分野の政治思想や選挙の仕組み、投票者心理など、用語や設定から状況を整理して思考・判断・推論する癖をつけておく。)

・大問Ⅱを中心に表の読み取り問題が出題されている。表の状況を適切に説明した選択肢を素早く正確に読み取ることができるようにしておく。

要約力

・大問Ⅰで400字程度の要約問題が出題されている。

⇒本文が2000字程度のため、本文要約の難易度としては低めであるが、各段落から段落の要旨を素早く正確に抜き出し、字数制限に合わせて再構成する練習が必要。(対策:普段から現代文の演習で使用した題材を100字~500字程度で要約し、添削を受ける)

・先述の「読解力」と重なる部分でもあるが、大問Ⅱで「各選択肢は本文で言及された論点かそうでないか」を判別する問題が出題されている。

⇒各段落ごとの話題を適切に読み取る練習をしておく。これは青山学院大学の総合問題対策に限らず、評論を読解する上で必須の能力である。


ここからは実際に、 青山学院大学2021 法学部(法学部A方式・総合問題)の解答例及び解説を見ていきます。

大問Ⅰの解答解説

大問Ⅰの解答解説

注:★がついている設問は国語に関する知識・技能だけで選択肢が絞り込める問題。

問1 類義語問題:4★
⇒省略

問2 類義語問題:1★
⇒省略

問3 漢字の読み問題:4★
⇒省略

問4 接続詞問題:1★
⇒段落の頭に四角囲いがあり、そこに当てはまる接続詞を選ぶ問題。前段落で「理想」について記述されている一方、四角囲いの後は「それにほど遠い」という内容が記載されているため、逆接または対比の接続詞を選択する。よって、この場合は1しか該当しない。

問5 内容一致問題:2★
⇒傍線部内に指示語がある場合、まずは指示語問題として解く。前文に「国民が主権者」「法の秩序を設定することそのことが国民の手に委ねられた」とあるので、これが根拠。2以外の選択肢は傍線部の内容を説明するものとはなっていない。

問6 類義語問題:1★
⇒省略

問7 政経分野:3
⇒政経分野のため詳細は省略

問8 政経分野:3★
⇒政経分野のため詳細は省略。設問に「権威の由来」とあることから、政経知識が曖昧でも自ずと選択肢が絞れる。

問9 本文要約問題
⇒省略


大問Ⅱの解答解説

大問Ⅱの解答解説

注:★がついている設問は国語に関する知識・技能だけで選択肢が絞り込める問題。

問1 政経分野:4
⇒政経分野のため詳細は省略。選択肢1及び2は文章が論理的に正しいこと、起こり得ることを考えれば2択まで選択肢を絞ることができる。

問2 政経分野:1★
⇒政経分野のため詳細は省略。前問と同じく、選択肢1が論理的に正しいことを考えれば政経分野の知識が曖昧でも解答することが可能。

問3 政経分野(表の読み取り問題):3★
⇒選択肢に記載されている状況と表を照らし合わせると、選択肢後段の「党派別順位は一致する」「比例代表選挙では一致しない」が誤りであることが分かる。

問4 政経分野:2★
⇒政経分野のため詳細は省略。「求められる力」に記載した「読解力」が備わっていれば、選択肢の状況をそれぞれ想像することができるはず。東京や大阪などの大都市と、過疎化が進んでいる都道府県の定数を同数にすれば一票の格差は広がってしまう。

問5 政経分野(表の読み取り問題):3★
⇒選択肢に記載されている状況と表を照らし合わせると、2番目に多くの議席を獲得した政党は3人区、4人区で獲得した議席の割合が最も高い。

問6 政経分野:2
⇒政経分野のため詳細は省略

問7 政経分野:1★
⇒政経分野のため詳細は省略。「諮問」の「諮」は訓読みすると「はかる」であり、「他人に意見を求めたり、相談したりすること」を示す。「諮問」の意味が分からずとも、傍線部の「有識者による議長の諮問機関」という箇所から、意見を求めているのは議長であることが読み取れるため2と4は不適。また、3の専門家集団ではない衆議院本会議に議長が意見を求めていることもおかしい。なお、「議長の」とある時点で権限が議長にあることが読み取れるため、議長以外の機関や合議体が諮問している2、3、4は不適。

問8 対義語問題:3★
⇒省略

問9 政経分野:2★
⇒問4と同様に、設問で与えられた状況をイメージした上で各選択肢の反例を挙げることで正答は一つに絞ることができる。

問10 政経分野:4★
⇒問4、9と同様に、設問で与えられた状況を想像すれば、(本問では特に期日前投票が効果的に機能する場合を考える)解答を絞り込むことができる。「自分が〇〇と考えていたら期日前投票が実施されていた場合に投票に行くか?」などと考えてみるのも効果的である。(例:選挙に関心がないと思っている状況で投票期間が長くなったからといって投票に行くか?)

問11 政経分野:1★
⇒問4、9、10と同様に、設問で与えられた状況を想像すれば(本問では特に自分のもつ票の価値に懐疑的な合を考える)解答を絞り込むことができる。また、問10のように自身に置き換えて検討してみてもよい。なお、設問中の「のみ」などにはしっかりマークをつけておきたい。

問12 内容合致問題:1★
⇒「本文で直接的に言及されていた」と指示があるため、各段落の要旨を押さえ選択肢の論点が言及されているかどうかを確認する。


大問Ⅲの解答解説

解答作成のポイント

問1 政経分野:3
⇒政経分野のため詳細は省略

問2 政経・歴史分野:4
⇒政経・歴史分野のため詳細は省略。法律を制定したり国王を処刑したりしている他の選択肢に比べ、4は「停止を求める文書を提出」程度のであるため、本選択肢だけトーンが違うことから選択することができるかもしれない。

問3 歴史分野:1
⇒政経・歴史分野のため詳細は省略

問4 歴史分野:3
⇒歴史分野のため詳細は省略

問5 政経分野:2
⇒政経分野のため詳細は省略。適当でないものを選択する問題であるため、選択肢2にある「社会契約論を唱えた論者達は共通して」という文言から正答を導けるかもしれない。

問6 類義語問題:2★
⇒省略

問7 政経分野:1
⇒政経分野のため詳細は省略。正しいものを選択する問題であるため、問5のように選択肢2、3の「社会契約論者は共通して」という文言から選択肢を削ることができる。

問8 歴史分野:5
⇒歴史分野のため詳細は省略

問9 政経分野:2
⇒政経分野のため詳細は省略

問10 政経分野:1
⇒政経分野のため詳細は省略。こういった問題に対しては1問1答的な演習では対応できないため、その用語がどのようなもので、どのような背景があるのか等を含めて抽象的なキーワードは自分の言葉で説明できるようにしておきたい

問11 政経分野:5
⇒政経分野のため詳細は省略

問12 歴史分野:4
⇒歴史分野のため詳細は省略


まとめ

これまで見てきたように、青山学院大学 法学部の総合問題Aは「国語力」があれば解答を導き出すことができる問題や、選択肢を削ることができる問題が半数以上です。

知識を頭に詰め込むことも一定必要ですが、語彙力や読解力・想像力、論理的思考力などが試されるため、一朝一夕の対策は難しいかもしれません。実力が出やすい問題構成であるからこそ、日々の積み重ねで差がつく素晴らしい問題であると感じました。


今回はここまで🐸

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