源氏物語『若紫 垣間見』定期テスト対策&テスト予想問題②
はじめに
こんにちは!こくご部です。
定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。
今回は源氏物語から『桐壺 光源氏の誕生』について、定期テスト対策&テスト予想問題と題して記していきます。
学校の定期テストに頻出と思われる典型問題を掲載しますので、定期テスト対策の足掛かりとして進めていきましょう。
また、テキストの異同や細かな差異が想定されるため、必ずお手元の教科書や学校で配布されたプリントをもとに勉強を進めましょう。
必要に応じて解説も記しておきます。
古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥
それでは行ってみましょう!
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①基本語の読み(歴史的仮名遣い)と意味
まずはここから。テスト週間は読みと意味を押さえた上で毎日音読するのがおすすめ!直前の確認にも活用してください!
伏籠 | ふせご | 籠に衣服をかけ、その中にお香を置いて衣服に匂いを移したり、衣服を暖めたりするのに使うためのもの。 |
くちをし | 残念だ。物足りない。 シク活用の形容詞。 | |
ゐる | 座っている。 | |
例の | れいの | いつものように。 |
心なし | こころなし | 分別がない者。不注意者のこと。 ここでは若紫が捕まえていた雀を逃がした「犬君」のこと。 |
心づきなし | こころづきなし | 気に入らない、気にくわない。 ク活用の形容詞。 |
めやすし | 感じの良い。 ク活用の形容詞。漢字をあてると「目安し」である。 | |
乳母 | めのと | 貴族の子どもの養育係の女性のこと。 |
後見 | うしろみ こうけん | 経済的・政治的な後ろ立てや、世話をする人のこと。 |
いふかひなし | どうしようもない。取るに足りない。 ク活用の形容詞。 | |
ものす | 様々な動詞の代わりに用いられる(=代動詞。英語で言う「do」。) サ行変格活用動詞。 | |
心憂し | こころうし | 格別に。 ク活用の形容詞。 本文では連用形「こよなく」のウ音便の形になっている。 |
らうたげなり | かわいらしい。 ナリ活用の形容動詞。ク活用の形容詞「らうたし」と同じく、かよわくて守ってあげたい気になるものの様子を表す語。 | |
いはけなし | 幼い、子どもっぽい。 ク活用の形容詞。漢字を当てると「幼けなし・稚けなし」である。 | |
うつくし | かわいい。美しい。 シク活用の形容詞。 | |
ねびゆく | 成長していく、おとなになっていく。 「ねぶ」+「ゆく」。カ行四段活用動詞。 | |
ゆかし | 「見たい」「聞きたい」「知りたい」など、心が引かれる。 シク活用の形容詞。 | |
まもる | 見つめる。 ラ行四段活用動詞。漢字を当てると「目守る」である。 |
②文法的説明問題
特に助動詞の意味については頻出。「文法的に説明せよ」という指示があれば、①(動詞であれば)活用の種類/(助動詞等であれば)意味、②品詞、③基本形、④活用形を答えるのが基本!
伏籠のうちに籠めたりつるものを | 存続の助動詞「たり」の連用形 |
伏籠のうちに籠めたりつるものを | 完了の助動詞「つ」の連体形 |
伏籠のうちに籠めたりつるものを | 逆接の確定条件を表す接続助詞。終助詞的に詠嘆と考えても良い。 |
「いとくちをし。」と思へり | 存続の助動詞「り」の終止形 |
かかるわざをしてさいなまるるこそ | 受身の助動詞「らる」の連体形 |
いとをかしう、やうやうなりつるものを | 完了の助動詞「つ」の連体形 |
いとをかしう、やうやうなりつるものを | 逆接の確定条件を表す接続助詞。終助詞的に詠嘆と考えても良い。 |
烏などもこそ見つくれ | 係助詞「も」に係助詞「ぞ」「こそ」がついて「もぞ」「もこそ」となった場合、危惧(~すると困る、~すると大変だ)の意味を表す。 |
めやすき人なめり | 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の発音便無表記形 「なる」が撥音便になる⇒「なん」になる。⇒「ん」が表記されなくなり「な」だけになる、という遷移。 |
めやすき人なめり | 推定の助動詞「めり」の終止形 |
この子の後見なるべし | 断定の助動詞「なり」の連体形 |
この子の後見なるべし | 推量の助動詞「べし」の終止形 |
あな幼や | ク活用の形容詞「幼し」の語幹。 ここでは単独または感動詞を伴い、意味を強める用法。 |
まもらるるなりけり | 自発の助動詞「らる」の連体形 |
まもらるるなりけり | 詠嘆の助動詞「けり」の終止形 今まで気付かなかったことに、はじめて気付いてハッとする驚きや感動を表す。 |
③現代語訳問題
①単語と文法を駆使して逐語訳を行うこと(意訳は最終手段!)②解答に文法的な要素が絡む場合は「文法を分かっていることが明らかな答案」にすること の2点が重要!
雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを。 | 雀の子どもを犬君が逃がしてしまった。伏籠の中に閉じ込めていたのに。 単純に有名なセリフなので出題される可能性は低くない。 |
烏などもこそ見つくれ。 | 烏などが見つけたら大変だ。 (ポイント) ・危惧の「もこそ」の訳出 |
めやすき人なめり。 | 見た目に感じがよい人であるようだ。 (ポイント) ・「な」は断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の発音便無表記形 ・「めり」は推定の助動詞「めり」の終止形 |
いで、あな幼や。 | ああなんと幼いのか (ポイント) ・形容詞の語幹用法 ⇒ここでは単独または感動詞を伴い、意味を強めるパターン。 |
ねびゆかむさまゆかしき人かな | 成長していくような様子を見たい人だなあ。 光源氏の心境を映し出したセリフであり、本筋に大きく関わるものであることため、出題される可能性がある。 |
④読解問題
様々な種類の問題が想定されるが、大事なのは「問われたことに対して答えること」。問と解答がマッチしているか必ず確認しよう。
「かかるわざ」とはどのようなことか。 | 犬君が伏籠の中の雀の子を逃がしてしまったこと。 |
「心なし」とは誰を指しているか。 | 犬君 |
「限りなう心を尽くしきこゆる人」とは誰のことを指すか。 | 藤壺 |
「まもらるるなりけり」とあるが、光源氏はなぜ少女から目が離せなかったのか。 | 解答例 若紫(紫の上)が藤壺に似ていたから。 |
「涙ぞ落つる」とあるが、何故光源氏は涙を流したのか。 | 若紫(紫の上)が藤壺に似ているから目が離せないのだということに気づき、藤壺と結ばれることのない(はずの)自分の身を振り返ったから。 |
今回はここまで🐸
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