平家物語『祇園精舎』品詞分解/現代語訳/解説⑤

平家物語『祇園精舎』品詞分解/現代語訳/解説⑤

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今回は平家物語の『祇園精舎』について、できるだけ短い固まりで本文⇒品詞分解⇒現代語訳の順で見ていきます。

必要に応じて解説なども記しています。

古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥

それでは行ってみましょう!

前回の記事はこちらから⇓


その子鎮守府の将軍義茂、

そ    代名詞  前回の続きで、平清盛に連なる、平氏の系譜をたどっている場面である。
格助詞
名詞
鎮守府名詞読みは「ちんじゆふ」。蝦夷で起こった乱をしずめおさめるのための最高群政府のこと。
格助詞
将軍名詞
義茂名詞読みは「よしもち」。
その子鎮守府の将軍(平)義茂は、

のちには国香と改む。

のち     名詞    
格助詞
係助詞強意の係助詞
国香名詞読みは「くにか」。現代語訳ができれば問題なく理解できるとは思われるが、「義茂」=「国香」である。
格助詞
改む動詞マ行下二段活用動詞「改む」の終止形               
のちに国香と(名を)改める。
 

国香より正盛に至るまで六代は、

国香    名詞    
より格助詞
正盛名詞読みは「まさもり」。
格助詞
至る動詞ラ行四段活用動詞「至る」の連体形           
まで副助詞
六代名詞
係助詞
国香から正盛におよぶまで六代は、

諸国の受領たりしかども、

諸国   名詞  
格助詞
受領名詞読みは「ずりやう」もしくは「じゆりやう」。国司の長官のこと。
たり助動詞断定の助動詞「たり」の連用形。
助動詞の「たり」は完了・存続の「たり」と断定の「たり」の二つが存在するが、前者は連用形接続、後者は体言に接続する。
意味から考えても両者は明確に区別できるはず。(完了・存続の「たり」はもともと「てあり」から生じているため、接続助詞の「て」と同様に連用形接続である。同様に、断定の「たり」は「とあり」から生じている。)
しか助動詞過去の助動詞「き」の已然形。
同じ過去でも「き」は直接過去(自身の体験)、「けり」は間接過去(他者の経験)と分けられる場合がある(混同されている場合もある)。その場合は 「き」「けり」で主語が判別できることがあるので、 それぞれニュアンスを押さえよう。
ども   接続助詞    逆接の接続助詞。已然形接続ということも押さえておきたい。
諸国の国司の長官であったが、

殿上の仙籍をばいまだ許されず。

殿上         名詞        「殿上人(てんじょうびと)」のこと。「殿上人」とは通常、五位以上の者(及び六位のうち「蔵人(くろうど)」と呼ばれる者)のうち、清涼殿の「殿上の間」に昇ることを許された者を指す。
この清涼殿は天皇が居住する殿舎で、重要公事や日常政務が行われるなど政治の中心となった。

cf.「地下(じげ)」
昇殿のできない、つまり 「殿上の間」 に昇ることができない者。「蔵人」を除く六位以下の者の総称。
つまり、上から「上達部」「殿上人」「地下」と厳格に身分が分けられているのだ。
格助詞
仙籍名詞読みは「せんせき」。宮中で当日の出勤者の確認に用いた木の札。または殿上人の資格のこと。
ここでは「仙籍を許す」という慣用的表現で「昇殿を許可する」という意味。
格助詞「をば」の形で、「を」の前の対象を「は」によって強調する。
格助詞「を」+係助詞「は」が濁音化したもの。
係助詞強意の係助詞
いまだ副詞
許さ動詞サ行四段活用動詞「許す」の未然形
助動詞受身の助動詞「る」の未然形。
助動詞「る」・「らる」は受身、尊敬、自発、可能の四つの意味をもつ。主な意味の見分け方は次のとおり。原則⇒文脈判断の順番で自然な訳を組み立てたい。

①受身 ⇒「~に」(受身の対象)+「る」(「らる」)
②尊敬 ⇒尊敬語+「る」(「らる」)
③自発 ⇒知覚動詞(「思ふ」「しのぶ」「ながむ」等)+「る」(「らる」)
④可能 ⇒「る」(「らる」)+打消・反語

また、助動詞「る」「らる」は接続する動詞の活用の種類によって使い分けられるため、併せて覚えておきたい。
四段活用動詞、ナ行変格活用動詞、ラ行変格活用動詞の未然形は「る」が使われる。その他の動詞の未然形には「らる」が使われる。
「四段な(ナ変)ら(ラ変)る」と覚えるのも手。
助動詞打消の助動詞「ず」の終止形

殿上人としての資格はまだ許されなかった。

今回はここまで🐸

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