伊勢物語 『筒井筒』定期テスト対策&テスト予想問題②

伊勢物語 『筒井筒』定期テスト対策&テスト予想問題②

はじめに

こんにちは!こくご部です。

定期テスト対策から大学受験の過去問解説まで、「知りたい」に応えるコンテンツを発信します。


今回は伊勢物語から『筒井筒』について、定期テスト対策&テスト予想問題と題して記していきます。

学校の定期テストに頻出と思われる典型問題を掲載しますので、定期テスト対策の足掛かりとして進めていきましょう

また、テキストの異同や細かな差異が想定されるため、必ずお手元の教科書や学校で配布されたプリントをもとに勉強を進めましょう。

必要に応じて解説も記しておきます。

古文が苦手な人や食わず嫌いな人もいるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう🔥

それでは行ってみましょう!

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①基本語の読み(歴史的仮名遣い)と意味

まずはここから。テスト週間は読みと意味を押さえた上で毎日音読するのがおすすめ直前の確認にも活用してください!
夜半よは夜中のこと
かなしいとしい
まれまれたまたま
心にくしこころにくし奥ゆかしい
うちとく気を許す。打ち解ける。
手づからてづから自分の手で
いかがひしゃもじ
笥子けこご飯を盛る器
うつはもの器。容器。
心憂がるこころうがるうんざりする。情けなく思う。
みやるその方を見る
からうじてやっとのことで
頼むたのむあてにする
住むすむ女の元に通う。結婚生活を営む


②文法的説明問題

特に助動詞の意味については頻出。「文法的に説明せよ」という指示があれば、①(動詞であれば)活用の種類/(助動詞等であれば)意味、②品詞、③基本形、④活用形を答えるのが基本!

風吹けば沖つ白波たつた山夜半に君がひとり越ゆらむ疑問の係助詞
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ現在推量の助動詞「らむ」の連体形。

係助詞「や」を受けて係り結びが成立している。
河内へも行かずなりにけり。ラ行四段活用動詞「なり」の連用形
河内へも行かずなりけり。完了の助動詞「ぬ」の連用形

過去の助動詞「けり」を伴う場合の「つ」「ぬ」は完了で解釈するのが基本。
河内へも行かずなりにけり過去の助動詞「けり」の終止形
初めこそ心にくくもつくりけれ、過去の助動詞「けり」の已然形。
ここでは係助詞「こそ」を受けて係り結びが成立しており、「こそ」+已然形+「、」の逆接的用法になっていることにも注意。
心憂がりて行かずなりにけり。ラ行四段活用動詞「なり」の連用形
心憂がりて行かずなりけり。完了の助動詞「ぬ」の連用形

上記と同様、過去の助動詞「けり」を伴う場合の「つ」「ぬ」は完了で解釈するのが基本。
心憂がりて行かずなりにけり過去の助動詞「けり」の終止形
君があたり見つつををらむ生駒山雲な隠しそ雨は降るともラ行変格活用動詞「をり」の未然形
君があたり見つつををら生駒山雲な隠しそ雨は降るとも意志の助動詞「む」の終止形
君があたり見つつををらむ生駒山雲隠し雨は降るとも終助詞「そ」と呼応し、直後の動詞の内容を禁止する。
「な~そ」でセットであるが、終助詞「そ」単独で禁止を表すこともある。
大和人、「む。」と言へり。カ行変格活用動詞「来」の未然形。読みは「こ」。
大和人、「来。」と言へり。意志の助動詞「む」の終止形
大和人、「来む。」と言へり。ハ行四段活用動詞「言ふ」の已然形
大和人、「来む。」と言へ完了の助動詞「り」の終止形
喜びて待つに、たびたび過ぎぬれば、完了の助動詞「ぬ」の已然形
君来と言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞ経る意志の助動詞「む」の終止形
君来むと言ひ夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞ経る過去の助動詞「き」の連体形
君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まものの恋ひつつぞ経る打消の助動詞「ず」の連体形
君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞ経る逆接の確定条件
君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞ経るハ行下二段活用動詞「経」の連体形。
活用は「へ、へ、ふ、ふる、ふれ、へよ」。

ここでは係助詞「ぞ」を受けて係り結びが成立している。
男住まなりにけり。打消の助動詞「ず」の連用形
男住まずなりにけり。ラ行四段活用動詞「なる」の連用形
男住まずなりけり。完了の助動詞「ぬ」の連用形
男住まずなりにけり過去の助動詞「けり」の終止形


③現代語訳問題

①単語と文法を駆使して逐語訳を行うこと(意訳は最終手段!)②解答に文法的な要素が絡む場合は「文法を分かっていることが明らかな答案」にすること の2点が重要!

風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ風が吹くと沖にある白波が立つ、その竜田山を、夜中に君がひとりで越えているのだろうか。

(ポイント)
・和歌の解釈(自然/人事に分けて解釈)
○自然(詠んでいる人物が目の当たりにしている世界についての描写)
○人事(歌のテーマ、言いたいこと)

・詠んでいるのは「女」。一人河内へ向かう男の安否を心配する女の歌であり、この和歌が「男」の心を動かした。
・「君」は「男」を指す。
・「たつ」に「(白波が)立つ」と「竜(田山)」の掛詞
初めこそ心にくくもつくりけれ、(女は)初めは奥ゆかしくよそおっていたが、

(ポイント)
・「心にくし」:奥ゆかしい
・「こそ」+已然形+「、」の逆接的用法:「~けれども」と逆接で文章を接続する
君があたり見つつををらむ生駒山雲な隠しそ雨は降るともあなたがいるあたりを見続けよう。生駒山を雲よ、隠してくれるな。雨が降ったとしても。

(ポイント)
・和歌の解釈(自然/人事に分けて解釈)
○自然(詠んでいる人物が目の当たりにしている世界についての描写)
○人事(歌のテーマ、言いたいこと)

・詠んでいるのは「高安の女」。
・「な~そ」:禁止
君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞ経るあなたが行くつもりだと言った夜のたびに過ぎてしまったので、もう期待しないが、(あなたを)恋しく思いながら過ごしている。

(ポイント)
・和歌の解釈(自然/人事に分けて解釈)
○自然(詠んでいる人物が目の当たりにしている世界についての描写)
○人事(歌のテーマ、言いたいこと)

・詠んでいるのは「高安の女」。
・「君」:「男」。
・已然形+「ば」:原因・理由
と言ひけれど、男住まずなりにけり。と言ったが、男は(河内の)女のもとに通わなくなってしまった。

(ポイント)
・「ず」:打消
・「に」:完了
・「けり」:過去


④読解問題

様々な種類の問題が想定されるが、事なのは「問われたことに対して答えること」。問と解答がマッチしているか必ず確認しよう。

「河内へも行かずなりにけり」とあるが、①誰が、②何故「河内へも行か」なくなったのか。解答例
①「男」
②別の女のもとに向かう自分を気遣う「女」の詠んだ歌を受けて、「女」のことをこの上なく愛しいと思ったから。
「心憂がりて行かずなりにけり」とあるが、①誰が、②何故「河内へも行か」なくなったのか。解答例
①「男」
②最初は奥ゆかしく振る舞っていた「河内の女」が、自分でご飯をよそっているのを見て気持ちが冷めてしまったから。
「さりければ、かの女、大和の方を見やりて」について、「さ」はどのようなことを指すか。解答例
男が河内へ通わなくなったこと。


今回はここまで🐸

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