【解答解説】センター試験2020（古典①古文）

★まずは必ず品詞分解をする。最初は辞書的な意味で判断し、そこから文脈判断を加えて選択肢を削っていく。

「ゆかし」：見たい・知りたい。この時点で１，２，４を削る。

「おぼしめし」：「思ふ」の尊敬語。この時点で２，５を削る。

「やをら」：そっと。静かに。本問は「ドンピシャ」で選ぶ問題。

『検非違使忠明のこと』（宇治拾遺物語）に「やをら落ちにければ」という一節があるので、そこで記憶している人も少なくないかもしれない。

「重なれるあはひ」は「重なれ」「る」「あはひ」に品詞分解できる。

自動詞の「重なる」はラ行四段活用動詞であり、「重なれ」はその已然形。「る」は完了の助動詞「り」の連体形。「あはひ」は「つり合い」や「間柄」などの訳を当てるが、この問題では「あはひ」の訳が不明でも選択肢を削ることができる。

「重なる」が自動詞の訳になっていないもの、完了・存続の「り」の訳が含まれていないものを削れば①、③、④が残る。その後、「あはひ」の訳に合致する④が正解。

a　「奉る」：謙譲の補助動詞。宰相から宮に対する敬意。

b　「給ふ」：尊敬の補助動詞。宮から宰相に対する敬意。

c　「侍る」：丁寧の補助動詞。宰相から宮に対する敬意。

d　「聞こえ」：謙譲の本動詞。宰相から老い人（尼上）に対する敬意。

１　「極楽浄土のように～山里の日常を」が不適。本文に根拠なし。

２　「姫君と来世までも～決めているので」「そばにいる人たちを」が不適。前者は本文に根拠がなく、後者はうらやましく思う対象が誤りである。

４　「来世のことを考えず～できる姫君を」が不適。本文に根拠なし。

５　「自由に行動できない～ことのできる宰相を」が不適。本文に根拠なし。

★「つれづれならず」は「暇を持てますような気持ではない」、つまり一意専心な状態である。

１　「本来であれば直接～申し上げるべきだ」が不適。本文に根拠がなく、姫君の話をしていない。

２　「この折に姫君の～申し上げたい」が不適。本文に根拠なし。

３　「老いの身で宮から～いただける」「お受け取り申し上げる」が不適。前者は本文に根拠がなく、後者は本文とズレ。「お礼を申し上げるべき」。

４　「仏道について～申し上げたかった」が不適。本文に根拠なし。

１　「普段から上質な衣装は見慣れているが」「姫君の衣装と比べてみたい」が不適。両者とも本文に根拠なし。

３　「姫君が宮を～心おどらせている」が不適。本文に根拠なし。

４　「山里の生活～仕向けることができた」「喜んでいる」が不適。本文に根拠がなく、内容もズレている。

５　「これまで平凡～姫君と」「宮が釣り合う～あきれている」が不適。両者とも本文に根拠がなく、内容もズレている。

１　「美しい女性の姿を見た」が不適。見ていない。

２　「宰相は～呼んで」が不適。宮が兵衛督に命じて宰相を呼んだ。

３　「宰相を通じて～頼んだ」「姫君についても～懇願された」「姫君との～覚えた」が不適。全て本文に根拠なし。

４　「宮はこの～ようになった」が不適。本文に根拠なし。