【解答解説】大阪大学2018 文学部(現代文①評論)

【解答解説】大阪大学2018 文学部(現代文①評論)

こんにちは!こくご部です。

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はじめに

今回は大阪大学 文学部2018年の問題を大問ごとに分け、
四回にわたって解答例及び解説を掲載します。

な なお、著作権の関係から、 当ブログ作成の解答解説のみを掲載し
本文及び設問は掲載していませんのでご了承ください。


本文及び設問は過去問題集などを購入して参照していただき、
あくまで他の解答例を見てみたい、という場合に活用していただければ幸いです


それでは行ってみましょう🔥


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1-1漢字書き取り問題

(1)取捨 (2)繁華街 (3)端的 (4)乾電池 (5)絵空事


1-2意味説明問題

解答の骨組み

(記述の仕組みが〇〇であるため、)一つのものごとは様々な方法で描写されるという意味。

解答作成のポイント

・私たちは自分がもっている概念の中から適当に取捨選択して、その概念を用いてものごとを様々に描写する

・あるものごとを言葉で言い表すとき、一つのものごとに対して様々な言い方が可能となる。

・目の前のものごとをどう記述するかは、その物事に対してどのような関心を、どの程度強くもっているかに依存している

⇒記述の多様性

ひとこと:入試問題には直接関係ありませんが、サピアウォーフの弱い仮説――言語が思考の内容に一部影響する――と通ずる言説ですね。気になる人はぜひ調べてみてください。

解答例

あるものごとをどのように言い表すかは、その物事に対してどのような関心を、どの程度強くもっているかに依存しており、自分がもっている概念の中から適当に取捨選択して描写するため、一つのものごとに対して様々な言い方が可能となるという意味。


1-3意味説明問題

解答の骨組み

(相貌に反映されない場合等の反例の説明)があるから、全ての記述が相貌に反映されるわけではないが、関心と記述によってものごとをどのように知覚するかが変化するという意味。

解答作成のポイント

・そうした記述は、それに特有の典型的な物語を開く

・記述はそのもとに典型的な物語を開き、目の前のものごとをその物語の内に位置づけることとなる

⇨相貌に反映される(その記述に応じた相貌でものごとを知覚する

⇨ただし、どんな記述でも相貌に反映されるというわけではない

・記述が相貌に反映される程度は連続的なグラデーションをもっている

・大きく相貌を左右する記述もあれば、わずかにしか左右しない記述もあり、まったく相貌に影響を与えない

記述もある

⇒記述は相貌に反映されうる

ひとこと:「関心と記述に応じて知覚する相貌が異なる」ということを押さえておきましょう。

解答例

記述が相貌に反映される程度は連続的なグラデーションがあり、相貌に反映されない場合もあるため、全ての記述が相貌に反映されるわけではないが、人はその記述に応じた相貌でものごとを知覚するため、関心と記述によってものごとをどのように知覚するかが変化するという意味。


1-4意味説明問題

解答作成のポイント

・ある坂が上り坂に見えるか下り坂に見えるかは、どこからその坂を見るかによるのではなく、その坂を上る物語の中にいるか、その坂を下る物語にいるかによる

解答例

坂を見上げる写真を撮ることはできるが、それを「上り坂」として知覚するためには物語が必要であり、物語がなければ「上り坂」という相貌を獲得することができないという意味。


1-5内容説明問題

解答の骨組み

「見えない」は〇〇であるのに対し、「ないということが見える」は〇〇である。

解答作成のポイント

・ないものは見えない

⇨知覚の眺望点は対象との位置関係であるから、対象がない場合には眺望点を設定することができない

⇨これは「見えない」ことの報告

・「ないことが見える」―コインの消失、飲み終えた瓶ビール 

・不在の相貌のもとに見られるのは、あくまでもそこにあるもの

・存在しないビールを「ない」という相貌に見るのではなく、テーブルの上にあるそのビール瓶を、ビールが入っていないという意味のもとに見る

⇨「当然あるはずだ」という予期が裏切られたとき、あってほしいという願望が満たされないとき、「ない」ことに積極的な意味を見出す場合

⇨ないことが意味をもつような物語がそこに開かれている

解答例

「見えない」は対象がない場合には眺望点を設定することができなという報告に過ぎないものであるのに対し、「ないということが見える」は存在しないという相貌から、その相貌自体とは異なるものを知覚するというものである。


今回はここまで🐸

次回は【解答解説】大阪大学2018 文学部(現代文②小説)ということで

大問二・小説の解答解説の記事になります。

著作権の関係から、当ブログ作成の解答解説のみを掲載し、

本文は掲載していません。ご了承ください。

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